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第201話 北海道上空を高速飛行

「あっさりと地上に戻ってこれたな」

『帰還魔法って便利だねっ』


俺とキューンは仄暗い蔵のダンジョンの地下五階から帰還魔法を使って今まさにダンジョンを抜け出してきたところだった。


「さっきの赤い円が効果範囲だとすると半径十メートルくらいにいる仲間をみんな連れて脱出できるってことかもな」

『ランク1なのにすごいねっ』

「多分だけど俺のスキル【魔法効果10倍】のおかげだと思うぞ」

『そっか~』


帰還魔法はたしかにキューンの言う通りかなり便利な魔法のようだった。

俺の勘が正しければランク1の帰還魔法で地下一階から半径一メートル以内の仲間全員を帰還させられるといった感じじゃないだろうか。

つまりランク10なら地下十階から半径十メートル以内にいる仲間を帰還させることができるということだ。


俺には【魔法効果10倍】のスキルがあるのでその考えでいくと地下百階からでも帰還できるという計算になる……まあ、合っているかどうか試してみないとわからないが。

とにかく帰還魔法のランクは早めに上げておきたいところだな。


『そういえば生成魔法で作った武器はどうするの? ダンジョンセンターに売りに行く?』

「ブラインドダガーか……それだけを売りに行くのも面倒だしあとでいいだろ」


俺が生成魔法で作り出した武器、ブラインドダガー。

新しく手に入れたアイテムはこれだけなのでわざわざダンジョンセンターに売りに行くのは得策ではない。


『そっか。じゃあどのダンジョンに行くか決めよう、マスター』

「ああ、ちょっと待っててな……」

言うと俺はスマホを取り出してダンジョンを検索する。

条件はランクFでまだクリアされていない近場のダンジョンだ。



スマホを操作して、

「……うーん。ここから一番近いところだと北海道かなぁ。キューン、それでいいか?」

キューンに訊ねた。


『おいらはマスターが決めたところならどこでもいいよっ』

「そうか。だったらここにしよう。次の行き先は北海道の稚内にある深い魔のダンジョンだっ」


こうして俺とキューンは北海道行きを決めた。



☆ ☆ ☆



『ねぇマスター。マスターはなんでダンジョンに潜ってるの?』

飛翔魔法で上空を高速で飛行していると横を飛ぶキューンが訊いてくる。


「え、なんでってどういうことだ?」

『だってマスターはもう一億円くらい稼いだんでしょ。だったら無理にダンジョンに潜らなくてもいいんじゃないの?』

「ん? 俺は別に無理してダンジョンに潜ってるわけじゃないぞ。ダンジョンでの暮らしが気に入ってるんだ」

『そうだったの? おいらはてっきりお金のためにダンジョンに潜っているんだと思ってたよ』

「まあ、それもなくはないけどな」


生活するうえで金を稼ぐことは重要だ。

それをダンジョンで出来るのなら俺にとっては一石二鳥というものだ。


「キューンはダンジョン生活は嫌か?」

『全然そんなことないよっ。おいらはもともとダンジョンで生まれたんだからねっ』

「そうか。それならいいんだ」

『それにマスターと一緒ならおいらはどこだって楽しいよっ』

「ふふっ、ありがとうなキューン」


キューンの言葉に俺は心が温まるのを感じていた。


「……なあ、キューン。前に人前では静かにしててくれって言ったけどあれやっぱり忘れてくれ」

『え、なんで? おいらが喋ったらまずいんじゃないの?』

「そう思ってたんだけどな、そんなことはもうどうでもいいよ」

キューンは俺のことをとても想ってくれているのにキューンには人前で喋るなとか言っていたことに罪悪感を覚えた俺はそう口にしていた。


『じゃあおいら、いつでも気兼ねなくマスターと話が出来るの?』

「ああ、そういうことだ」

『やったー。ありがとう、マスターっ』

キューンは俺の顔にすり寄ってくる。


「ははっ、くすぐったいぞ、キューン」

『マスター、大好き~っ』



じゃれ合いながら飛行を続けているとだんだんと肌寒くなってきた。


「うぅ~……なんか寒いな、キューン」

『そう? おいらは全然平気だけど』


ホワイトドラゴンの体質なのかキューンは寒さなどどこ吹く風といった感じだ。

だが俺は普通の人間だから当然寒さを感じる。【魔法耐性(強)】でどうなるものでもない。


「悪い、ちょっと一旦下りていいか?」

『うん、いいよっ』


俺は上空の寒気に耐え切れず地上へと下り立つ。

地図を確認するとそこは旭川辺りだった。


飛んでいけば稚内はすぐそこだが……。


「キューン、ここからは電車で行こうか」

『電車か、いいねっ。おいら電車好きだから楽しみだよ』

「そっか。それならよかった」


厚手のジャンパーでも買えば済む話なのだろうがダンジョン内では必要なくなるだろうし家にあるものをわざわざ買うような無駄なことはしたくない。


ということで俺とキューンは最寄りの駅から鈍行列車に乗り一路稚内を目指すことにしたのだった。

『ダンジョン・ニート・ダンジョン ~ダンジョン攻略でお金が稼げるようになったニートは有り余る時間でダンジョンに潜る~』

という小説も書いているのでとりあえずブクマだけでもよろしくお願いいたしますm(__)m

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― 新着の感想 ―
[一言] 3億あれば年収400万と同等の生活が80年できます
[気になる点] 働かずに、贅沢しない暮らしで、3,4億ですね。 遊んじゃうと、何遊ぶかによるけど上の1.5倍くらいかと…
[一言] キューンちゃん、10代から1億じゃ稼ぎが足りないのよ、、世知辛い世の中ね( ´ω` ) これじゃ老後を待たずにお金が尽きるわよ、、
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