怪獣大戦争(始)
ブラウが戦っていた時、違う場所でも戦いが行われていた。
「だめ、このままだとやられちゃう」
「しかしなぁ、まともに攻撃するわかけにはいかんのじゃよ、龍人とはいえこどもだしなぁ」
「でも今はドラゴンでしょう。あんなの見たことないけど」
エリンと守護神様はそんな会話をしながら攻撃を交わし続けていた。
「なあお嬢、いっそのことあれをティムできないか」
「できたらやってる。もとが人だから無理みたい」
「そうか、さすがに人はティムできないか、むっ、待てよ、もとが人ならあれを人に戻させればいいのか」
「できるの?」
「まあ、相当痛い目にあわせることになるがのぅ、悪いが降りてくれ。お嬢をのせたままだと動きが制限される。本気を見せてやらんとなぁ、いかに黄金の三頭竜とはいえ、こどもに負けるわけにはいかんのでなぁ」
エリンを降ろした守護神様は相手に体当たりを食らわす。かなりの衝撃があったようで喰らった相手はその場にうづくまる。が、次の瞬間には怒りを全面に押し出し、超高温の火炎を放射する。
周囲に被害が及ばぬようにと守護神様はまともにその火炎放射を浴びるが、見た目にはそんなにダメージを喰らったようには見えない。
「大丈夫なの?」
「心配ない。この程度、とは言いたいがけっこうきついな。さっさと片付けないと身が持たない」
「なら」
「心配はいらん。ワシをなんだと思っておる。子供の癇癪程度押さえられなくて守護神が務まるか。ワシのことよりあっちを何とかしてやれ」
竜同士の戦いのそばではフェンリルとキマイラが戦っていた。
常に二頭で行動しているロネとネルはきっちりと連携がとれていてキマイラを翻弄している。一方のキマイラはまったく連携がとれておらず二頭がそれぞれバラバラに戦っていた。
機動力に勝るフェンリルはキマイラの足元を徹底的に攻撃していて、動きの遅いキマイラはまったくそれにまったく対応できていない。
下半身と上半身のバランスをまったく考慮されていないようでキマイラは足元を駆け回るフェンリルを掴まえることができない。ひとつひとつの攻撃はそんなにダメージを与えるものではないがじわじわと確実にダメージを蓄積させていくロネとネルの攻撃はキマイラを追い詰めていく。何十回も切り返し攻撃をしていくうちにキマイラはその動きを止める。そして下半身に蓄積されたダメージにより体を支えきれなくなりゆっくりと倒れていく。それでもなお抵抗するキマイラに対し上空待機していたグリフォンがトドメを刺さんと巨大な岩を持ち上げ上空から落下させる。
下敷きとなったキマイラは断末魔のような雄叫びを上げて息耐えていく。
「なんだ、私の出番なかったね。完勝だね」
あっけなく勝負はついた。だが、ドラゴン同士の戦いはそうはいかなかった。




