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戦いはまだ続く②

クボタはアンブラスを見た瞬間何とも言えないイライラした感情がわいてくるのを感じた。本能は彼が自分にとって嫌な存在になると告げていた。クボタは何も考えることなくただアンブラスに殴りかかった。が、クボタの拳はアンブラスには届かなかった。

「エリアハンマー」

アンブラスがそう唱えるとクボタははるか彼方に飛ばされていく。

「ちょっと何してくれてるのよ」

「「いや、身の危険を感じたのでつい」

お怒りモードの聖女にたじろぐアンブラス

「弟に何かあったらただじゃ済まさないからね」

「あの男、弟だったんですか?」

「そうよ、やっと会えたというのに」

「それは申し訳ありません。どうすれば?」

「何もしなくていいわ、すぐに戻ってくるから」

そう言うと聖女はクボタが飛んで行った方向に向かって手をかざす。

するとはるか彼方に飛ばされたはずのクボタが聖女のすぐそばに現れる。

「いつから俺は弟になったんだ?」

開口一番クボタはそう言ったが聖女はそれには答えず

「あらあなたぼろぼろじゃない」

身体中傷だらけのクボタを気遣うような振りをして誤魔化す。

「こんなもんは気合いで治るんだよ」

と気合いを入れたクボタの傷はたちまちのうちに完治する。

「便利な身体ね」

「格闘家ならこれぐらいのことはできて当然なんだよ、てっ、誤魔化すな。いつから俺達は姉弟になったんだ」

「私がお姉ちゃんというのは嫌かしら」

「いや、悪くない。俺は男兄弟の末っ子だから姉がいるのはある種の憧れだったんだ」

「私も一人っ子だったから弟が欲しかった。ちょうどいいじゃない」

こうして利害が一致した二人は実質的に姉弟になった。

「姉弟仲睦まじくて何よりですが」

とアンブラスが申し訳そうに声をかける。

「そうだ、あんたよくもやってくれたな」

再び殴りかかろうとするクボタだが

「止めなさい、確実にあなたが悪いのよ。わけも分からず殴りかかるなんて」

と聖女がそれを制する。

「それはそうだがなんかこいつ見てるとイライラするんだよ」

「それはお互いの魔力が干渉しあって精神を惑わしているのよ。しばらくすると慣れるから今は我慢しなさい」

聖女は我が子をなだめる母親のようにクボタを諭す。早くも姉らしさを発揮している。

「とはいえこのままでは納得できないでしょう。せっかくだから手合わせしてみたら」

「やれるならやりたい。こいつかなり強そうだ。強い相手でなければ訓練にならない」

聖女の提案にクボタは乗り気である。

「私こそ相手にとって不足はない」

アンブラスも乗り気である。

二人が戦うことになって周りは盛り上がる。しかし、みんな忘れていた。直ちに助けなければならない人間がいることを。

その忘れられた人間、アルビーはクレーターの底で目を覚ます。

「私はいったい」

アンブラスに連れ出され修行と称し一方的にやられまくった事は覚えている。どうやら意識を失っていたようである。傷だらけの身体をなんとか起こしながらクレーターの底から這い上がる。自分自身が白服になった意味をひたすら考えながら。

「白服になっての戦いで連敗なんて…。情けなくて涙が出てくる。この先どうしようかな」

意気揚々と乗り込んできた勢いはどこへやら、すっかり意気消沈しているアルビーはなんとか這い上がり、地上に出てきた。そこで目にしたのはクボタとアンブラスの単なる手合わせとは思えない激しい戦いであった。

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