41 閑話休題的な???
セッカとコウの事情聴取も終えたので、忍兄に勧められて2人の日用品を買いに街へ出掛けることにした。
護衛がアル君だけでは大変だろうと、昨日会った警邏の大きい方の人が家に迎えに来た。警邏隊員さんを個人的な護衛として使っていいのだろうか?と疑問に思ったのだか、忍兄との間で何やら決定していることらしい。「今後、街へお出掛けする時はお呼び下さい」と言われたよ。
熊さんの様な警邏のお兄さん?というよりおじさんは、ウルススさん。忍兄にはメス豚と呼ばれて、何故か嬉しそうに反応するやばい人です。
「こ、こんなに買っていいのか?」
「大丈夫、だって下着とか服とか必要でしょ?」
遠慮して聞いてくるのは、忍兄の服を着たコウだ。だぼっとしたシャツの袖を幾重にも折り、兄が履くと7分丈のクロップドパンツが何故かコウにはちょうど良い。まあ、ウエストはベルトで締めてますが…。いかにも借り物を着たという感じに「これが彼シャツってやつなのね」と納得しました。あれ?違う?
「コウ君。心配しなくても、おふたりの生活に必要な物は全て賄う様にとシャール様に言われてますから」
「あ……ありがと……」
「お礼は是非、シャール様に言ってあげてください。喜びますよ」
アル君が今日のお財布なので遠慮なく何でも買い放題だ。ついでに私の物も買って良し、と許可が出ているのでセッカと一緒にあれやこれやと買い物してます。
「シズクおねー様、これなんていかがでしょう?」
びよーんと黒い紐パンを左右に伸ばして、目の前に掲げるセッカ。
「良いわねぇ。せくすぃだわ。グッジョブよ」
「……そ、それはセッカさんにはまだちょっと早すぎなのでは?」
「何を言ってるのアル君!!これはコウの分でしょ」
「はい、コウの下着ですわぁ」
「えっ?ええっー??」
「ええ、紐なのでコウの尻尾の邪魔にもなりませんし」
ふふん、分かってるじゃないのセッカ。
「買いね♪」
「買いですわ♪」
アル君とコウを説き伏せ、満足のいくお買い物が出来た。黒紐パンツ、洗い替えも含めて5着買いました。めちゃくちゃローライズなので尻尾の下に紐が通るデザインです。
ええ、他の下着なんて買わせてませんわ。おほほほほほ
その後、挨拶とお礼を兼ねてシャール様を訪ねました。
途中、シュルツ隊長に似た人とすれ違った。
「あれ?今のたいちょーだった?」
「………えっ?」
そう言ってアル君と私とで振り返るが、あの馬鹿目立ちする騎士の隊服姿は見あたらない。
「騎士らしき人は見当たりませんが?」
「いや、普通の格好だったし……」
「では見間違いですね?」
いえいえ、あのシャツ。忍兄が持っている服にそっくりでした。それも日本で購入したシャツにです。確か、シュルツ隊長は忍兄に整体してもらってから宿舎へ帰るって言ってはずだが??そういえば、ここは騎士隊の宿舎近くだ。整体用のお着替え借りたのかな?でも貸し出ししてるのはジャージのはずです??
「ま…まさかねぇ………ふ、ふははははは」
R18な展開を妄想している間に、シャール様のお城の様なお屋敷に到着しました。
相変わらず【魅了】常時発動が平常運転です。私は魔力耐性がついたのか、以前のようなドキドキ胸キュンは、脳内BL妄想変換という高等技術で乗り越えました。
えっ?カップリングは誰だって?そりゃ、目の前で腰砕けになった俺様受けのコウとややS攻めのシャール様ですよ。
「おやおや、大丈夫かな?」
「ふ、ふぁぁぁぁぁぁ……」
真っ赤なお顔でへたり込み、股間を押さえるコウと、黒い笑みでコウの反応を楽しんでいるシャール様。
あんたも好きねぇ。
勿論、その様子を楽しそうに見守っているのは、セッカと私です。
「お、おねー様。このような逸材を黙っているなんて」
「実物見たほうが説明するより早いしぃ」
「雫さん、そろそろ助けてあげたほうが…」
「「駄目よ(ですぅ)」」
腰を抜かしたコウの正面に屈み、目線をしっかりとあわせたシャール様は「かわいいねぇ」と囁きながら、コウの獣耳を愛撫し、下あごから頬を撫でている。意外と動物好きでしたか?
「ふ……ふぇ……ぇぐ…ぐす……しのぶぅ…」
とうとう忍兄の名を呼びながら泣いてしまった。
「おや?シノブのお手つきだったかな?」
「いいえ、未遂ですわ」
「ほんと、惜しいところだったのですが…」
「皆さん…そのくらいにしてください。コウ君…大丈夫?」
どうやらシャール様の【魅了】効果が利きすぎて魔素酔いしたらしい。
まるで泥酔した様なコウの為に、帰りの馬車が用意されました。




