踏ん切り
ーー驚いた・・・。
近くの綿あめの店で、まさかリックと再会するとはな・・・。
「お前、何してんだ?バイトか?」
「・・・・・・"バイト"だよ!悪いか!!??」
「い、いや、悪いとは言ってねえけど・・・?」
「ライア・・・誰こいつ?」
「ああ、俺が前に入っていたパーティー"火炎の不死鳥"のリーダーの"リック"だ」
後からやって来たユラ達にリックを紹介したは良いものの・・・。
***
それから観念したかのようにリックが口を開いた。
どうやら、前回の仕事にて、負った怪我による入院をしたものの、入院費がバカにならなかったらしく、借金をしたらしい・・・。
「なんでだよ・・・?お前ら結構稼いでたんじゃねえのかよ・・・」
「・・・そりゃ、稼いでいたよ・・・お前がいなくなるまではな!」
「え?俺が?」
ギロリと俺を睨みながら断言した。
まさか俺の所為で・・・?
そういや、パーティー抜ける際こいつの懐から金貨の入った袋を盗賊の能力でかすめ取ったからか?
だとしたら俺にも責任があるものの、それだけでそこまで金欠になるほど金には困っていなかったよな・・・?
「お前、さっき俺が出て行ってから火炎の不死鳥が弱くなった・・・みたいな事言っていたが・・・?」
「ああ、それな・・・ライア、どうやらお前は俺らのパーティーに必要不可欠な存在だったんだ!」
「は?」
こいつ・・・?
まさか・・・?
「頼むライア!俺達のパーティーに戻って来てくれ!」
「はい~!?」
いきなりリックが土下座して頼み込んで来た・・・。
こんなリックは初めて見たぞ・・・。
いくら頼み事をしてもこんなに畏まって土下座まではしなかったが・・・。
「お前の盗賊の能力は俺らを支えてくれていたんだ!だから頼む!追放の事は謝る!お前が戻ってくれれば借金だってすぐに返せる!だから・・・」
「ふざけんな・・・」
「え?」
そりゃそうだろ・・・。
勝手に追い出しておいて、今度は戻って来てくれって・・・
「お前どこまで勝手なんだよ・・・」
「だから、謝っ・・・」
「今更謝っても遅えんだよ!俺は今、ここにいるユラ達と新しいパーティーを組んでそこで頑張っている!それに、出て行く時に言ったはずだ!『もうお前らとは組まない』と・・・だから・・・諦めな・・・」
他人事のようにそんな事を言って俺はその場を後にした。
言い過ぎたかとは思ったが、先に俺を追い出したのはリック達の方だ・・・。
哀しそうな眼をして俺を見つめるリックに背を向けて、俺はそのままレモネードの店に戻った・・・。
ある意味、踏ん切りだと思った・・・。
これでスッキリしたと・・・。




