小話 『予知』するおじいさん
儂には分かる。
今コンビニにやってきた青い目のお嬢さん。彼女は数分後、奇跡的な出会いをすると。
まぁ『予知』という儂の能力が発動したんじゃ。
このあとバイクでやってくる若造とお嬢さんが『魂の出会い』をする。
その様子を観察するため、場所を移動しようかの。
来たぞ。
やはり『運命の魂』じゃったか。
良いのぅ。初々しくて見てて癒やされるのじゃ。
さて、少しお嬢さんに助言をしようかの。
素直な良い子じゃ。
これならばあの若造と散り散りになることはあるまい。
帰ろうかの。
「お祖父様」
おっと。此奴にはバレておったか。
盗み聞きできたので良しとするか。
「なんだね、若造」
目の前の若造はお嬢さんの魂の相手であり、当代天ノ石グループの社長であり、儂の孫である。
名は藤夜。
「私たちのこと、視てましたね?」
「何のことかのぉ」
「誤魔化さないでくださいよ」
「……儂もお嬢さんに、電話番号渡せばよかったかの」
「邪魔をするおつもりで?」
「ほほ、家柄は充分じゃ。後はお主次第よ。……何せあの『上城』の娘だからの」
「なるほど」
息子も経営の腕はあったが、孫はそれ以上じゃ。だからこそ23歳で社長に就任させたのだからな。
言葉の裏を簡単に理解して、直ぐに行動に移す。
我がグループがどんな風に成長するか楽しみじゃ。
「儂は帰るぞ」
「えぇ。お気をつけて」
まったく。気をつけるのはお主じゃろうに。




