跋
まずは、最後まで僕の話を聞いてくれたことに対してお礼を言いたい。
僕のために大事な時間を割いてくれて、本当にありがとう。
そして……どうだっただろうか。『怖かった』、『切なかった』、といった意見をよく聞くけれど、非常に的を射ていると思う。少なくとも僕自身、この事件のことは生涯忘れることなどないだろうから。
それから、もう君は知っているのかもしれないが、この話には続きがある。
もしも君が僕や、他の人達の『その後』について興味を持ってくれたのであれば、それらを記した記録も存在している。ここにその場所を書くことは出来ないが、君がその気になれば簡単に見つけ出せるはずだ。
しかし、その記録を閲覧するには更なる覚悟が必要になることを明記しておく。僕が体験したこの怪異以上か、或いはそれ以上に凄惨で恐ろしく、目を背けたくなるような恐怖が待ち受けているだろう。
そう、僕が今語ったのは、言うなれば『序章』に過ぎないのだ。
そして最後に……多くの人が望めば、更なる記録が作成されることもあるかもしれない。
既に存在する全ての記録を大きく凌駕するような、恐怖と狂気の事件を綴った記録が……。
忌み数の『4』をその名に冠する……最新にして最恐の物語が。
正直なところ、現時点では定かではない。
しかしこれが実現する時が来れば、僕は再び君と顔を合わせることになるに違いないだろう。
その時は是非とも、今日僕の話を最後まで聞いてくれたように、襲い来る恐怖に今一度打ち勝って欲しい。
また会える時を楽しみに……。
このあたりで一度、ペンを置いておきたいと思う。
――金雀枝一月。