魔王は滅びぬ何度でも蘇るぅ
目覚めたら魔王が目の前に居た、いや何を言ってるのか分からないけど、分からないけど目の前にいるんだ。
「えーと、魔王でしたっけ?」
「くすくす、リアンはかわいいなぁ」
白い髪に紅の瞳、中二病ですね分かります。
「あの、魔王さん?」
頭を優しくなでてくる魔王、気持ち良いのですが、なんというか、いらつくぜぇ。
「何の用か知りませんが城に帰してくれませんか?」
「あんな牢獄に帰って何をするの?」
不思議そうに聞いてくる彼、確かにそうなのですが、ここにいるよりはましだと思いますよ?
「自分の家に帰るのは当然でしょう、だから帰るんです」
「馬鹿な子、あんな場所に帰っても何もないのに」
ベットから起き上がろうとした頭を手で押されてベットに戻される。
「そうですね・・・でも妹がいますのでそれが理由ではだめですか?」
あそこにいれば将来妹の保護は受けられそうですからね、ここよりはましなはずです。
「駄目だ、君は僕と契約した、もう君は僕の物だ、誰にも渡さない絶対に」
これだから、これだからこいつら主人公枠の奴らは!
「どうしてあなたたちはそんなに自己中なんだ!ふざけないでよ!」
周りに誰もいないからだろうか、それとも魔王という絶対的上位者の目の前にいるからだろうか、本心がそのまま口に出る。
「自己中、自己中か…そうだね、その通りだ何故なら僕は魔王だからね、そう在らなくてはならない」
面白可笑しな赤い目が少しだけ悲しそうに歪んだ・・・・・・こいつら主人公枠ってーのはどーしてこう・・・
「リアン?」
顔を突然手の平で被ったのが不審だったのか困惑した表情を浮かべる魔王。
「・・・てやる」
「何?」
「契約だかなんだか知らないけどそんな顔されたら心配だからほっとく訳にはいかないでしょうが!少しの間だけ一緒にいてやるっていたのよ!」
「・・・ぷっ、あはははは!なにそれ!あははは!」
いきなり笑い出す魔王、ムカつくけど少しだけ安心した。
「ぬぁ!?なんで笑うのよ!」
「いやぁなんか無性に笑いたくなってね、そうか心配か、心配ねぇ、あはは!」
「むきー!」
顔が熱い、ムカつくぜぇ。
「あはは!」
「うがああああ!!」
「お姉さま・・・」
あの誕生日会の後消えてしまったお姉さま、誰も何も知らない・・・
それどころか誰もお姉さまを探そうとしない・・・
許せない・・・笑ってそれを見ないふりをするお父様・・・
「お姉さま・・・」
私が唯一甘えられるお姉さま、お姉さまがすぐ傍にいない・・・何処に行ってしまわれたの?
「アイリ様」
「誰?」
自室で悲しんでいると一人の男性が訪ねてきた、彼は臣下の礼を取ると開口一番にこう言ってきた。
「私はアイリ様の味方です」
「どういうこと?」
「あなた様の探しているイリス・イスフィリア様の行方を私は知っています」
「知っているの!?」
「ええ」
「今お姉さまはどこにいるの!?」
「皇女様は今魔王の元に・・・」
「魔王!?」
東の魔王と西の魔王、この世界には二人の血を分けた魔王が存在する。
その力はどの魔より強く、比類なき闇の力を持つという、人間たちの恐怖の象徴。
この世界は二つの王国と二人の魔王が互いに牽制し合い成り立っている。
「魔王とはどちらの魔王ですか?」
「西の魔王でございます」
「なんてこと」
最も残虐で最も恐られている魔王の元にお姉さまが・・・
「早く助け出さないと!」
「お待ちくださいアイリ様、今行っても殺されてしまいます」
「でもこうしている間にもお姉さまが!」
「皇帝陛下がお許しにならないでしょう」
「ではどうすればいいの!?」
皇女である身分も忘れ泣き叫ぶ、すると男はこういった。
「私にいい考えがあります」
「?」
「勇者を召喚するのです」
私は彼の考えに賛同した、そして彼を全面的に信用し、彼を大臣の地位に押し上げた。
あの時彼の嗤っている顔を見ていれば、いや見ていてもきっとバカな私は同じ間違いをしただろう。
「あの、ところであなたはどちらの魔王ですか?」
「どちらの、という表現はよくわからないけど君たちの言葉で言うなら僕は西の魔王だよ」
「え?」
「驚いた?」
「はい、本で読んでいたのとは全然違います、西の魔王は残虐で恐ろしいと・・・」
「だろうね」
寂しげな表情で肯定を示す彼、その表情が気になった。
「どうしてですか?」
「まぁそれはおいおい説明しよう、まずは食事をしよう」
「は、はい」
ちょうどお腹が空いていたし魔王が何を食べるのか知りたくてつい返事をしてしまったが・・・
「いい加減手を離してくださいませんか?」
冒頭を読めばわかると思うが頭を手で抑えられていてあれからずっとそのままなんだ・・・貧弱で悪かったな
「ああごめんごめん」
「ちょっと!抱き上げないでください!?ちょ、やめ!」
貧弱な腕が恨めしい・・・
魔王は二人いたのさ!
な、ナンダッテー!?
遅い更新申し訳ありません、テスト明けの清々しい気分って最高ですよね?
・・・はい、いいわけです、いいわけなんですよ・・・言い訳してすいません。




