↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/27

26話 お祭り開始!

 街にやって来た『雷の大精霊ゴールさん』のために、街を丸ごとお祭り会場に変えて大歓迎してみました。


「すごい……! 街全てをこんな賑やかにしてしまうなんて……!」


 楽しいことが大好きなゴールさんは、お祭り会場を前に大喜び。


「ではここで、もうひと手間を加えましょう!」


「もう一手間?」


「それっ!」


 私は空に向かって力を解放した。すると、空は一瞬にして薄暗い色へと変化して、空には大きな月が浮かんだ。


「この土地だけ夜にしました!」


「おぉ……!」


 私達の前に広がるお祭り会場は、提灯などのさまざまなな明かりで、これでもかってくらいに輝きだした。


「綺麗だ……!」


「見た目だけではありません! このお祭りでは、とにかく楽しい出し物をたくさんご用意しました! ぜひ、心ゆくまで堪能してください!」


「うん!」


 美少年姿のゴールさんは元気よく頷くと、猫型マスコット姿の私と共に、夜のお祭り会場の散策を開始した。


「…………」

「…………」


 私達の後方にはゴールさんの護衛と、私の付き添いである大精霊アンダさんと魔法少女オーラさん、そしてシリウス先生が無言でついて来ている。

 何か話をすればいいのに……


「あっ! あれは!」


 ゴールさんは早速、気になるお店を発見したみたい。

 護衛が反応するより早く駆け出したゴールさんは、アクセサリーが並ぶおもちゃ屋で足を止めた。


 因みに、指輪やネックレスに使われている大粒の宝石は全て本物以上。

 あ、因みに本物以上ってのは、ルビーやサファイアより更に高価な宝石ってことね。


 この世界にあるダンジョンや秘境で採れる「幻石」っていう、石の中なのに炎が揺らめいてたり、水が流れてたりする、ものすごく綺麗な石だよ。

 アンダさん曰く、「幻石をお店で購入しようとすると、とんでもない値段になる」のだとか……


「おぉ、ものすごいものがならんでいるね! 雑に並んでいるからオモチャなのかと思いきや、まさか本物の幻石とはね!」


「値段を付けられない代物が幾つも並んでいる……」


 ゴールさんの護衛の1人は、沢山並ぶ幻石のアクセサリーを見て呆然としている。


「幻石をオモチャのように扱うとは……宇宙の精霊は興味深いね!」


 だけどゴールさんの興味は、アクセサリー類の隣に並べられている光る輪っかに向けられていた。


「これは……! ライトフープじゃないか! なんて懐かしい!」


「ライトフープ?」


「この光る輪っかのことだよ! 昔はこれが大流行してねぇ! いやあ、懐かしいねぇ〜!」


 ゴールさんは高価な幻石よりも安い輪っかに感動しているみたい。


 ちなみにこれは、僅かな魔力で光る輪っかだよ。付け外しが簡単で、腕や首に簡単に取り付けられる優れもの。

 魔法の精霊が作り方を教えてくれたよ。


 夜のお祭りならやっぱり、光るアクセサリーがないとね!


「よし、買おう! 髪飾りと首飾りをそれぞれ2つ、腕輪は6つ貰おうか!」


「ありがとうございます! あ、腕輪は5つ買うと1つオマケでついてきます!」


「なら腕輪は5個で頼もう!」


『お買い上げありがとうございま〜す!』


 ゴールさんの護衛がお金を支払う。売店の精霊店員は、光るアクセサリーをゴールさんに手渡した。


 ゴールさんは光るアクセを早速装備。頭に飾りをつけて、ネックレスを首にさげて、カラフルな光る腕輪を腕に通した。


 ゴールさんはピカピカになった。


「いいねぇ〜!」


 まだ冒頭なのに、ゴールさんはかなり上機嫌。これはいい感じだね。


「…………」

「…………」


 後方で控える護衛と私の付き添い達の会話はまだ弾む気配はない。なんか気まずい。


「やはり光る物はいいねぇ……おっ! あっちにも光る物が!」


「あれはヨーヨーすくいですね!」


 ゴールさんがお次に見つけたのは、お祭りの定番、ヨーヨーすくい。


 模様が光るヨーヨーは、プールの中をゆらゆら漂っている。とってもきれい。


「水の中を風船が流れているね。これがヨーヨーなのかな?」


「はい! 水が入った風船にゴムがついていて、こうやって指に引っかけて……こうやって跳ねさせて遊ぶんです!」


 私は店員からヨーヨーをひとつ貰うと、ヨーヨーを装備して手を上下させた。

 ヨーヨーは光を発しながらポンポンと上下に飛び跳ねた。


「へぇ〜!」


 ヨーヨーを見たことがないのか、ゴールさんはそれなりに興味を示してるみたい。ならばお次にアレをお勧めしてみようかな?


「これが普通のヨーヨーです! 隣には大きなヨーヨーもあります!」


「大きなヨーヨー?」


「はい! 隣の屋台です!」


 私はヨーヨーすくいの右隣にある屋台を指し示した。


「これって……プール?」


 お祭り会場に、これでもかというくらい大きなプールが設置されている。


「階段を上ってプールの中身をご覧ください!」


「中……あっ!」


 私と一緒に階段を上がってプールの中を見たゴールさんは、目を見開いて驚いた。


「大きなヨーヨーが沢山流れてる!」


 綺麗な水が並々注がれたプールの中には、人の頭よりも大きなヨーヨーがどんぶらこと漂っていた。


 そんな巨大ヨーヨーも勿論、模様は光る仕様だよ。


 しかも! そんな巨大ヨーヨーの中には、光るスーパーボールや、水遊び用の色んなおもちゃが入ってるよ。つまり、水属性の福袋だね!


「すごーい!」


 ゴールさんは巨大ヨーヨーをすっかり気に入ったみたい。プールのそばに駆け寄って、流れるヨーヨーを熱心に眺めている。


「僕これ欲しい!」


「分かりました! では早速、ヨーヨーすくいを始めるとしましょうか!」


「始める?」


「はい! これはヨーヨーすくいという遊びですからね!」


 不思議そうにしているゴールさんの元に、おもちゃの釣り竿を手にした精霊が姿を現した。


「この釣り竿で、お目当てのヨーヨーをすくい上げるんですよ!」


「へぇ〜! 楽しそうだね!」


「失敗しても1個貰えますからね! 折角だから私も参加します!」


「じゃあ、こっちは護衛も入れて3人でやってみようかな!」


『あいよっ!』


 精霊は元気よく返事をすると、4人分の大きなおもちゃの釣竿を持って来てくれた。


「よし! じゃあルナ、ライト、君達にこの釣竿を託そう!」


「はっ」


 護衛の2人はゴールさんの前で跪くと、おもちゃの釣竿を丁寧に受け取った。


「ルナはあの光ってるやつが沢山入ったヨーヨーを、ライトは大きなおもちゃが入ったヨーヨーを取って!」

「かしこまりました」


 美少年姿のゴールさんは、護衛に派手な巨大ヨーヨーを取らせようとしてるみたい。


 ゴールさんの指示に恭しく返事をした護衛は、目当ての巨大ヨーヨーが浮かぶポイントへと走り去った。


「よし! 僕は1番大きなヨーヨーを狙ってみようかな! シロボシ、どちらが大きなヨーヨーを釣り上げられるか勝負しよう!」


「いいですね! では、大きさだけでなく、ヨーヨーの中身勝負もいかがですか? 中に入ってるおもちゃの凄さで競うんです!」


「いいね! どちらも絶対に負けないからね!」


「私も手加減しませんよ!」


 こうして、私とゴールさんとのちょっとした勝負が始まった。


「あれが1番大きそう! 中身も豪華そうだ!アレさえ釣れれば僕の勝ちだね!」


「なんの! こっちにも大きくて面白そうな物が入ったヨーヨー見つけましたよ!」


 私達は互いに声を飛ばし合いながら、大はしゃぎで巨大ヨーヨー釣りを楽しんだ。


 ゴールさんはとっても楽しそうだった。


 なんというか、はしゃいで遊ぶゴールさんは見た目だけじゃなくて中身も幼くなっていたような……そんな気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。