37/37
編集後記
再び、あなたがこの記録を最後まで読み進めてくれたことに、深く感謝したい。
この第一記録集に収められているのは、あくまで過去に発生し、すでに解決を見た事件だ。
だが、私は知っている。
真実が記録に残るのは、ほんの一部にすぎないということを。
どの事件にも、語られなかった言葉や、記されなかった想いがある。
犯人の沈黙、被害者の表情、通報者の震える声――
そうしたすべてが“事実”であっても、記録にはすべてを載せられない。
だが、だからこそ我々は記録し続ける。
記さなければ、なかったことになるのだから。
事件のすべてを理解することは不可能だ。
だが、それでも残す価値があると信じて、私はこの記録を閉じる。
そしてまた、今日も新たな報告が届く。
今、次の記録の表紙を開く音が、静かに聞こえてきた。
君がこの世界の一端に触れてくれたことに、私は心から感謝している。
この記録が、君の中にほんのわずかでも残るのなら――それで十分だ。
記録者
GIA・書庫部門責任者
オスカー・ヘイズ




