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呼び間違え
どれだけ長生きしている人でも、呼び間違えることはあるんです(笑)
雪那は涼恵も祈療姫も好きですからね。
早朝、雪那が食事を作っていた。涼恵も早めに起きてきていたため、パソコンを触っていた。
「あー……ここ、もう少しこうした方が……」
涼恵がひとりごとを呟く。こう見えても研究所の所長、やはり忙しいのだろう。
それを見ながら、雪那は小さく微笑む。まるでかつて祈療姫ことカナ姫を見ているようだ。
――あの人も忙しそうだったからなぁ……。
贖罪をつかさどる巫女だった彼女は特別な力を持っているがゆえに人々が集まってきていた。それを考えると、休む暇などほとんどなかっただろう。
「お茶持ってきたよ、カナ様……」
雪那がお茶を持っていき、そう言った。涼恵はキョトンと雪那の方を見る。
「……今はカナじゃないですよ、雪那さん」
「あ、わ、忘れて……」
思わず、彼女のかつての魂の名前を呼んでしまった。赤くなる雪那に涼恵は優しく笑った。




