部屋割り
さて、作者の気まぐれによる世界滅亡がかかった(笑)彼らだが、まずは部屋に入ろうということになった。
「……一応、個別になっているんだな……」
良希が呟く。それぞれの部屋に名前が書かれていて、確かに個室になっていた。
「なんで私だけ風と同室なんだ?いいけどさ……」
ただ一人、涼恵を除いて。
「可愛そうだと思ったから……」
「その優しさを別のところにいかせこの野郎」
それはさておき、それぞれ室内に入ると現実での自分の部屋にそっくりだった(なお、涼恵と風の部屋だけ内装が変わっている)。
「まぁ、これなら許容範囲か……」
涼恵が小さく言うと、風が「お母さん、ぼくとは嫌だった……?」と涙目になった。
「そういうわけじゃないんだ。風と一緒の部屋でお母さんもうれしいよ」
優しく頭を撫でるその姿はまさに母親だった。
それにしても、気になることがある。
「なんでベッドがこんなに大きいんだ……?」
二人だけなら、それも女子高生と小学生なら、こんなに広いベッドは必要ない。それなのになぜ……?
その理由はすぐに分かった。
「……ねぇ、記也。なんでここにいるの?」
「スズ姉と一緒にいたいから」
「……兄さんは?」
「上に同じく」
「…………亜花梨ちゃんは?」
「上に同じく」
数分後、なぜかきょうだい集合してしまったのだ。しかも全員涼恵に抱き着いている。
――こりゃあ広いベッドが必要になるわ……。
うれしいような呆れたような、そんな複雑な感情を抱きながら涼恵は苦笑いした。
それは蓮の方でも起こっていた。
「……おい、愛良」
「どうした?」
「なぜここにいる」
「お前のことが好きだからだ」
「兄さんは?」
「可愛い蓮をほかの男に渡さない」
「……光助は?」
「姉さんを守ってみせる」
こりゃダメだとすぐに説得することをやめたヒロインズだった。
そのころ、怜と蘭は兄の部屋でお茶をしていた。
「兄さん、勉強教えてくれ」
「いいよ。どこが分からない?」
こちらは普通の兄弟のようだった。
祈花兄弟と愛斗はと言うと……。
「何やってんだよ兄さん」
「佑夜にくっついてる」
「離れろ」
「ヤダ」
「ボクもー」
「やめろ引っ付くな」
……佑夜が苦労人になる未来が見えてしまった。




