「72時間ドキュメント」は静かな声で語られる
NHKの「72時間ドキュメント」は録画して欠かさず観ている。テレビを観なくなって久しい。殆どの曲が権力におもねっているようで面白くない。NHKなどは政府の広報機関のようなものだ。ただNHKのドキュメンタリー番組は国民に事実を知らせるという矜持を感じる。
民放も含めてテレビのいろんな情報番組にはコスパとかタイパとか無意味な効率化を勧めたり、グルメやファッション、観光地で楽しく笑っている人ばかり出ている。
テレビに映って嬉しそうにしている人はそんなに幸せなのだろうか? 彼らは毎日、美味しいものを食べることしか考えていないのか?食べ物のことで何故あれほどうるさく騒ぐのだろうか。(そういう編集方針なのだろうか)またいろんな場所に言っては「絶景!」とか「インスタ映え!」とか言ってスマホでバチバチ?撮っているが、その行為の意味がよく分からない。
今も政府は国民の方を向いてなくて物価は上がり続け、医療費、介護費も上がっている。大学生は奨学金とは名ばかりの教育ローンで苦しんでいる。7世帯に1世帯は貧困に喘いでいる。多くの国民の暮らしが楽になるようには予測しづらい。
「72時間ドキュメント」には病や障がいを持ちつつ頑張って生きている人たちや、いろんな事情で孤独に暮らしている人たちを優しく見つめている。働いている人たちもみんな必死だと思う。そういう大変さを声高に訴えているのではなく、静かに淡々と語っている。
また番組では学校に行けなくなった子どもたちを受け入れている居場所もあれば、過疎化でスーパーが経営出来なくなり、地域の人たちがNPOをつくってスーパーを運営したりしている地域も取り上げる。
日本全国いろんな場所で一人ひとり、痛み・悲しみ・淋しさを抱えて、それぞれのやり方で生きている。だけど悲壮感はない。僕はただ彼らの言葉に納得するだけだ。
いったい世界はどうしてこんなにうるさくなってしまったのだろう。テレビではお金の話、グルメの話、ファッション・コスメの話、旅行・観光地の話などなど、同じような顔が大声でいつも同じようなことを喋っている。いったいそんなことを知りたいと思っている人がどれぐらいいるのだろうか?
人々が本当に伝えたい言葉は言い淀んだり、股間がかかったり、不安そうであったりする。そしてそれは小さな声で語られる。「72時間ドキュメント」は本当の話を聞くことが出来る数少ない番組だと思う。




