表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『僕たちの青春と恋愛日記  作者: こうた
第1章「恋の始まりの春」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/30

第8話「見ている」

4月20日


朝は曇っていた



---


教室の光が少し弱かった



---


そのせいか、全体が少し静かに見えた



---


白石はいつも通りいた



---


でも、今日は少しだけ違った



---


誰かが見る回数が増えていた



---


気のせいかもしれない



---


でも、そう見えた



---


坂本はいつも通り話していた



---


黒田は窓の方を見ていた



---


藤井は少し遅れて教室に入った



---


神谷はノートを開いていた



---


一ノ瀬はまだ来ていなかった



---


岡崎は机に座っていた



---


授業が始まる前



---


白石は一人で窓の外を見ていた



---


その後ろ姿を見ている人がいた



---


それが誰かは分からない



---


でも、一人じゃなかった気がした



---


授業中



---


教科書を読む時間があった



---


白石の番になった



---


昨日より少しだけ落ち着いていた



---


でも、声は同じだった



---


聞きやすい声だった



---


それを聞いている間



---


黒田がずっと見ていた



---


気づいていたかは分からない



---


坂本も見ていた



---


岡崎も見ていた



---


藤井は一度だけ目をそらした



---


神谷はノートに何かを書いていた



---


でも、時々顔を上げていた



---


誰も、長くは見ていない



---


でも、誰かは必ず見ていた



---


昼休み



---


白石は教室にいた



---


その周りに人がいた



---


坂本が一番近かった



---


その横に黒田がいた



---


少し離れて岡崎がいた



---


藤井はさらに後ろだった



---


神谷は少し離れた席だった



---


一ノ瀬はいなかった



---


会話はあった



---


でも、途切れ途切れだった



---


坂本が言った



---


「なんかさ」



---


少し間を置いて



---


「お前、よく見られてるよな」



---


白石は少しだけ首を傾げた



---


「そうですか?」



---


黒田がすぐに言った



---


「見てるっつーか、見てるだけ」



---


岡崎が笑った



---


「何それ」



---


「いや、意味はない」



---


黒田はそう言った



---


藤井は黙っていた



---


でも、視線は外れていなかった



---


神谷が静かに言った



---


「見てるんじゃなくて、見える位置にいるだけだろ」



---


坂本が少し笑った



---


「ややこしいな」



---


その時だった



---


白石が少しだけ笑った



---


「みんな、よく見ますね」



---


それだけだった



---


軽い言い方だった



---


でも、少しだけ空気が止まった



---


理由は分からない



---


すぐに戻った



---


会話は続いた



---


でも、その一言だけ残った



---


放課後



---


白石は一人で教室を出た



---


廊下は少しだけ混んでいた



---


誰かが通り過ぎるたびに視線があった



---


気のせいかもしれない



---


でも、消えなかった



---


坂本が後ろから走ってきた



---


「おーい、帰るん?」



---


白石は振り向いた



---


「はい」



---


それだけだった



---


黒田は少し離れたところにいた



---


一瞬だけ見た気がした



---


岡崎は笑っていた



---


藤井は見ていなかった



---


神谷はノートを閉じていた



---


一ノ瀬はいなかった



---


帰り道



---


坂本と少しだけ話した



---


いつも通りの会話だった



---


でも、途中で坂本が言った



---


「お前さ」



---


「うん」



---


「なんか、周り動かしてるよな」



---


白石は少しだけ止まった



---


「動かしてる?」



---


「いや、別に悪い意味じゃなくて」



---


坂本は笑っていた



---


「なんとなくな」



---


白石は少しだけ考えた



---


「そんなこと、ないと思います」



---


そう言って歩き出した



---


坂本はそのあと黙っていた



---


その沈黙が少し長かった



---


家に帰った



---


今日も特に変わったことはなかった



---


でも、少しだけ分からなかった



---


見られているのか



---


見ているのか



---


それとも、ただそこにいるだけなのか



---


——その違いが、まだ分からない



---

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ