表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/61

第6話 最近のドラゴンはスライムに喰われたり包丁で刺されたり人の形にされたり萌えキャラ化させられ挙げ句人に仕えることになってたりして不憫な気がしてくる。そういうのは好きだけど

 恥ずかしさから、先ほど華麗に席に掛けたパーカーを羽織る。


「あ、ごめんなさい。余計なことを言ってしまったようで」


「いえいえ、こっちこそ気付きませんでしたので、このまま街に出歩いていたかと思うと……」


 本当に助かった。恥ずかしいけどな。

 と、エリトリナは出口を見てから、


「いろいろすいません。私はパリスを追いかけるので席を外させて頂きます」


 パリスと同じく、ギルドを後にする。


 と、パリスとエリトリナとのやりとりの途中にドラゴンの討伐の確認が終わったようだ。

 ネウレアに呼ばれて受付に行き、報酬を受け取った(←ほとんどはネウレアの手柄)。


 ちなみにドラゴンの死骸の撤去は今日中に行われるそうな。感染症を引き起こすし、素材が高価でもあるので腐る前にさっさと撤去したいが、なんせ大きさが凄いので時間がかかるので、素材の報酬の方はまた後日らしい。


 さて、金はあるし腹は減ったから飯に行こう。


「なぁネウレア、今から行くところあるか?無いなら飯行こうぜ」


「とりあえず包丁がこんなだから、鍛冶屋行かないと」


 ドラゴンに刺した包丁は先端が曲がっていた。

 剣でも用意に斬れないであろうドラゴンの硬い鱗を貫通させる包丁とは、逆に恐ろしい。


「わかった。とりあえず鍛冶屋行こうか」


 ギルドをそのまま出る。

 パリスとの口論のせいか、風が心地よくて、久しぶりに街に出た感覚がした。


 ネウレアは例の如くスタスタと歩いて行き、街の北東部の煙突のある建物に着く。


 鍛冶屋の重厚な扉を開けると、そこには耐火性のありそうな服で着膨れしている、ハンマーを持ち金床で鉄を打っている凛々しい女性がいた。

 俺達が入った後、すぐこちらに気付き、


「お、ネウレア、いらっしゃい。――と、そこの男の人は知り合いかい?」


「ミカミって言うの。さっき一緒に討伐に行ってきた」


「へぇ、男の人とは珍しいな。えっと、ミカミだっけ、初めまして。ベルって言うんだ、よろしく」


 と、鉄の黒い油のついた顔ではにかんだ。


 ネウレアは早速包丁をベルに預け(というか、戦闘に使って曲がった包丁を直すというのは職人の信条に反しないのかは謎だが)、鍛冶屋を後にする。


 飯を食べた後に取りに行くことになった。


 相変わらず街並みは噴水だとか西洋風鎧を身にまとった兵士ばかりで、異世界転生というか中世ヨーロッパにタイムスリップした気分だ。


 ネウレアの家にも煙突だの暖炉だのがあるのだろう。


「そういえばミカミ、さっき聞けなかったけれど、家族のことは大丈夫なの?」


 なるほど。ギルドに入る前の「未成年みたいだけど」のくだりはそれを聞こうとしていたのか。更新の間隔が長くて忘れていた。

 それよりも、ネウレアの衝撃の事実を知ってしまったがな。


「家族は……今はいない。ここにも一人で来たし、別に心配しなくていいぞ」


「そうなの。ミカミもだね」


 ネウレア独身なんだな。まあ、この見た目では完全に少女だし、初期設定ではもっと低年齢だったかもしれないほどの幼さだ。

 ゴスロリみたいな服がロリ感を更に加速させる。


 と、歩いて五分程。


「ここ。よく来てるの」


 ネウレアの指した先は普通な感じの大衆食堂。

 食堂で腹を満たし、ベルの鍛冶屋で包丁を受け取った後、ふと空を見上げると既に夕方だった。


 ……宿どうしよう。

次回もよろしく!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 興味深く拝読させていただきました。テンションの高さ、勢いの良さ。書いている喜びすらも感じ受けさせていただきました。筆者の"楽しい"に溢れた作品として、好感があります。 この度は誠に有難うござ…
[良い点] ここまで読みました笑タイトル長いですねこの話だけ笑 読みやすくてよかったです! [気になる点] これから読むので特に [一言] いえあああ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ