第7話 ヤンデレと寝るのは勇気が要る
こんにちは。
あとがきにてお知らせがございます。
「ミカミ、どうしたの?」
ネウレアが不安そうに見つめる。
ネウレアと山分けした報酬だが、あろうことか、俺は昼飯で使いきってしまい、現在の全財産で買えるのは、おそらく鍋の蓋くらいだろう。
でかいロブスターとかを頼まなければ……
鍛冶屋を出た今が、ちょうど夕方。俺は昼飯に何時間かけたんだよ。
この後自分が泊まる所のことを考えていなかった。
「あ、あぁ、だ、大丈夫だ」
「お金、もう無くなったの? 昼にドラゴン肉とか高いのばっかり食べてたから?」
思いっきりバレてる。だが、こんな少女(※二十歳)に金を借りるわけにもいかない。
夕方に始められてすぐ給料受け取れるバイトとか依頼って無いのかよ!
キノコ採集とか武器も履歴書も無しでできるやつとかよぉ!
しかし、そんな一般人でもできて都合の良いような仕事など、ここにはあるわけがない。
キノコ採集とかよく考えたら依頼するものじゃないだろう。普通に店で買うか、素人に見極められるのなら自分で採りに行くだろう。
今日は野宿な気がしてきた。
「ミカミ、良かったら家来る?」
……今何て言った?
なにそれ読者へのサービス!? どうせ健全で終わるんだろ!?
と思いつつも、俺はネウレアについて行く。
べ、別に邪な考え何て無いんだから!
◇
「上がって」
ひさびさの場面転換はネウレアの家で、かよ。
レンガ造りの、周りの家と変わらない、いたって普通の一軒家だが、一人暮らしには広すぎる気がする。
家族単位なら丁度良いくらいか?
「ふぅ、疲れた」
ネウレアはそのままソファーに横たわる。
腹を出していてとてもだらしない。
「ミカミ、私ここで寝るから二階の適当な所で寝てて」
と、毛布掛けて普通に寝た。
……少しくらい気にしろよぉ!
二階で寝ててとか、お前一人暮らしだろ。
てか、こういうのってだいたいドキドキするイベントが発生するんじゃねぇのかよ!
フラグを潰すほどに、コイツにとっては無駄にデカイ家だ。
言われた通り、シャンデリアのある螺旋階段で(無駄に豪華だな)二階に上がると、部屋が五つくらいあり、それぞれの部屋すべてにベッドがある。
実は家族と暮らしていたんじゃないのか?
まさかネウレア、ヤンデレを家族に向けて発動させたんじゃないだろうな?
周りはすっかり暗くなりつつあり、窓から差し込む光も弱くなりつつある。
適当に部屋を決め、明かりを灯し、ロウソクの火に照らされた部屋の中、ベッドに座り込んだ。
今日はとんでもない1日だったな。
振り返れば、今日会ったばかりのヤツの家に俺は泊まっているのか。
これでは、田舎に泊まろうではなく、異世界に泊まろうだ。
まぁ、もう少ししたら寝ようか。
本棚から本を一冊手に取り、ベッドに横になった瞬間、下の階から聞こえる謎の音に気付いた。
螺旋階段を降りて行くと、台所の方から包丁を研ぐ音が聞こえる。
……え? 日本昔話!?
次回もよろしく!




