表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仮題「力こそすべて」  作者: クラスペダ
1/8

生きてる限り手を止めるな

「ぁぁあぁああああああ!!」


 がむしゃらに腕を振るう。ぐしゃり、肉を潰す感触。ばきゃり、骨を折る感触。べちゃり、撥ねた血が頬を濡らす。関係ない、腕を振るう。咆哮にも似た声が自然と口から出る。


「お”……ギ……もウ”やべ……」


 倒れ伏した男の口からか細い懇願が耳に入る。降参とは言ってないし、まだ死んでもいない。足は潰れ、腕はひしゃげ、やぶけた胴からは内臓も見える。関係ない、腕を振るう。振るう。振るう。今はただ何も考えず、元の世界に帰るためなら何でもすると誓ったその言葉通りに。


「あ”……ぁ…………」


 涙を流していた目がぐるりと上を向き、光が消える。ぐちゃぐちゃの肉塊になった物が死んだのだと理解し、腕を止める。


「……勝者、ノゾムゥゥゥ!! ひ弱な外見から想像もできない残虐プレェェェイ!! いったい誰がこのランクの試合でここまでのものが観られると予想できたかぁぁぁ!!」


 騒々しい司会と耳が破けるかと思えるほどの歓声。熱くなる体とぐちゃぐちゃになった思考。血の、いや死の臭いが充満するリングの中で、僕はどうしてこんなことになったのかを思い出していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ