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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記1 終章 これは始まりの物語の終わりの闘い-1 選手入場


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終章 これは始まりの物語の終わりの闘い



挿絵(By みてみん)


夜が明けきらぬ蒼に染まる空の下、

時刻は早朝、午前六時半——。


ドアダ基地の闘技場には、既に無数の兵士たちが詰めかけていた。

彼らは今、非番の身でありながら、その目に狂気じみた光を宿し、祭りを待ちわびる観客のように興奮している。


その中央、石造りの壇上に立ったのは、ドアダ首領・ガープ。

首領の奥の瞳が、全兵士を見渡すように鋭く細められる。


「……よいか諸君。今ここに、地上の未来を占う“模擬戦”を開幕する!!」


その声に、場内の空気が引き締まる。

一瞬、場内から歓声が漏れかけたが、彼の手の一振りでそれは押し黙った。


「この戦いは、十二対十二の総力戦。

 各陣営は“一名の大将”を選び、指揮と魂を託す。

 戦場に立つ者は、左胸にこの“バッチ”をつけよ。大将は金の紋章入り、大将バッチ。兵は銀の兵隊バッチ。バッチを破壊された者は即座に戦闘不能扱いとして、速やかにフィールドを退場せよ!」


彼の言葉に合わせて、黒戦闘員がバッチを掲げて見せた。

それはまるで、魂の杭のように見えた。誇りと命を封じる象徴だ。


「勝敗は明快だ。大将バッチが破壊されたその瞬間、該当チームの敗北と見なす!

 制限時間は一時間。時間切れとなった場合は、生存者数の多いチームが勝者とする。

 また、試合中に特殊な事象が発生した場合、双方の合意をもって“インターバル”を申請することも可。必要に応じて大将の交代も認めよう」


場内に、ざわ……と観客たちのざわめきが広がる。

が、次の瞬間、ガープが右手を高々と掲げて語気を強めた。


「召喚獣の使用、魔術、武器、兵装、構わん! ただし!

 ——人間並の知性を有する召喚獣、並びに高さ十メートルを超える兵器の持ち込みは禁止だ!」


どよめき。


「たとえば“封獣機”のフルパワー解放などをやらかしてみろ、この闘技場ごと吹き飛ぶわ!

 ま、そこらへんの自制は常識の範囲内で頼むぞ、神域級諸君?」


口調は軽いが、その“神域級”という言葉に、多くの観客が身を固くする。


「なお、本日の戦場には、我がドアダ四柱のうち、ワシ、スパルタクス、乂家当主、ジャガ族族長が“激突の力”を中和すべく結界を展開しておる。

 つまり、——遠慮は無用じゃ。全力で殺し合え!!」


バァァン!!!

言葉の爆発と共に、壇上に仕込まれていた銅羅が鳴り響いた。

それは神事の始まりを告げる銅鑼。祝祭の合図。


「よって今より、模擬戦を開始する! 選手、入場ッ!!」


途端、場内が割れんばかりの大歓声に包まれた。


炎と煙が吹き上がる中、第一陣として登場したのは——雷音たち“挑戦者チーム”。


戦場が、熱狂の坩堝と化すまで、もはや時間はかからなかった。


どうやらこの戦いはかなり人気のようだ。

「それでは試合を始めるぞい!!選手入場!!」


銅鑼が鳴った瞬間、世界は祝祭に呑み込まれた。


爆音とともにスモークが吹き上がり、火花が走る。

スポットライトが交差し、舞台——いや、戦場の幕が開ける。


まずは俺たち、挑戦者側チームが入場した。


「おおおーーっ!」「待ってましたァ!!」「雷音様ァァァ!!」


……え、歓声?

ここ敵地だよな?と混乱しかけたけど、すぐに理由は分かった。

神羅——いや、ユキルがいるからだ。


ドアダの次期女首領、ガープの孫にして七将軍の一角。

なるほどな、俺たち、**“神羅推しチーム”**ってわけか。


そして、事態はここから更なる狂乱に突入する。


「さぁ、みんな行くよぉ! ドアダ魔法アイドル部、ステージオンっ!!」


神羅の掛け声とともに——


魔法少女たちが一斉に変身を開始した。


変身バンク演出よろしく、光と風ときらめきのエフェクトが舞い上がり、七人の少女が光の花弁の中から現れる。

彼女たちは、各色の衣装に身を包み、次の瞬間には音楽に合わせて完璧なフォーメーションでダンスを始めた。


絵里洲。エドナ。雷華。白水晶。ミリル。

そして鵺まで——


……鵺まで!?


「……あの、マジでやるんすか……?」


こっちの声は届かない。

鵺は明らかに慣れてない動きを、硬直気味にこなしている。耳が真っ赤だ。

足取りも微妙にテンポがズレてるし、ターンが反対方向だし……無理してんのバレバレだ!!


(すまねぇ、鵺……ウチの神羅の暴走に巻き込んで……)


だが、そんな細かいことは観客には関係なかった。

全軍が総立ちでサイリウムを振り、曲に合わせてオタ芸を打ち始めるという異様な光景が広がる。


「神羅様ァァ!!」「うおぉぉ推せるッッッ!!」「ライブ円盤は出ますか!?」


もはや軍隊じゃなくて地下アイドルのライブ会場だ。


「ぬうぅっ!? 歌と踊りの披露など聞いておらん! 神羅ぁっ……! なぜ、なぜ私を誘わなかった!?」


あっ、羅刹姉ちゃんが激怒してる。

……え、誘われたら出るつもりだったの!? 本気かよ!?


さらに入場が続く。

俺、漢児アニキ、獅鳳、オームが姿を見せた瞬間——


「帰れー!!」「お前ら誰推し!?」「空気読めぇ!!」


場内ブーイングの嵐。


そりゃそうだよな。漢児アニキはアーレスタロス所属、バリバリのドアダ敵対ヒーロー。

オームもタタリ族出身だし……


……でもアナウンスが流れた瞬間、空気が一変した。


『乂漢児、ドアダ幹部筋の血縁者であることを確認』

『乂獅鳳、首領ナイトホテップの実子』


「おおおおお!?」「首領の血筋か!!」「キャーーーッ!!」


手の平ドリル発動。即・称賛モード突入。


(ちょっと待てや! 一体どういう感情でその歓声出してんだ!!)


いや本当に、観客のテンションがジェットコースターすぎる。


そんな中——


地響きのような歓声が湧き上がった。


「おぉぉぉぉ!!」「ナイトホテップ様ご登場!!」


敵チーム、先鋒はドアダ七将筆頭にして“蛇王”ナイトホテップ。


彼が一歩フィールドに現れた瞬間、場内の全兵士が起立し、軍歌を高らかに歌い始めた。

信仰にも似た狂信。 圧倒的なカリスマ。


続いて現れたのは銀仮面。

——俺の兄、乂羅漢。


その無言の登場に、空気が一瞬で凍る。


そして、もう一人。

妖艶な微笑と共に舞い降りたのは——


「……ナイアルラトホテップ」


あのエロ魔神が、サキュバス三人を引き連れて、グラマラスな紫のメタルバンド衣装で登場してきた。

いやいや、肌色多すぎるだろッ!!

おまけに三人のサキュバスはピンク・オレンジ・ライトブルーの極彩色ドレス。

ボンテージとフリルと生足の暴力。


そして——


「皆さま、我らの新曲をお聴きください……!」


対抗心剥き出しなのか、彼女たちはデスメタル系の爆音ライブを開始した。


デスボイスにギターソロ、ダークなダンスと腰のくねり——

観客、大・熱・狂。


(いや待て、神羅たちの魔法少女アイドルステージを上回ってんじゃねぇか!?)


俺の横で神羅がギリギリと歯ぎしりしている。


「ぐ……ぐぎぎぎぎっ……! あの乳魔神っ……!」


俺の胃が痛い。

いや、これ模擬戦だよね?本番だよね?

……まだ、始まってすらいねぇよな……?


挿絵(By みてみん)



だが——


本当の“地獄”は、まだ口を開いていなかった。


「さあ、次の選手たちのご入場です!」


アナウンスの声とともに、敵陣最後の六人が姿を現す。


真紅の甲冑を纏ったサムライ。

蒼鋼のプレートアーマーを身に着けた騎士。

山吹色のカンフー装束をまとった武術家。

漆黒の忍装束に身を包んだ影。

緑の軍服に身を固めた狙撃兵。

そして隣に寄り添う黄緑の服を着た観測手。


——六つの色、六つの戦型。

だがその眼には光がない。

一切の気配も、呼吸すらも感じられない。

それなのに、殺気だけが、這い寄る瘴気のようにこちらへと向かってくる。


「……っ」


全身の血が、逆流するような錯覚。

俺はその場に釘付けにされた。

見覚えがある。忘れたくても忘れられない顔ぶれだ。


「やあ、雷音くん」


あの声だ。

耳に触れただけで脳髄を撫でまわされるような、不快な声音。


ナイアルラトホテップが、グラマラスな身体をゆらしながら、こちらに歩み寄ってきた。

その口元に浮かぶ笑みは、果てしなく嘲るようで、哀れむようで、楽しげだった。


「懐かしい顔ぶれだろう? 君が殺した、ラキシスくんのこと……覚えてるよね?」


空気が凍る。


「彼の直属部隊だった六人。——僕が再利用してあげたのさ。

 魂の抜け殻にして、肉体だけを改造してね。いわば、屍の兵士たち。無駄がなくて、とっても便利だよ?」


その声に、改造された六人の兵士たちが、音もなく俺の方を向いた。

その眼差しには、怒りも、悲しみも、ない。

ただ、指令に従うだけの“機械”の視線。


「ふざけんなよ……」


声が漏れた。

自分でも気づかないうちに、拳を握っていた。


「なあ、この試合……相手を間違って殺しちまったら、失格になるんだったか?」


低く、刺すような言葉だった。


ナイアがくすりと笑う。

艶めかしい笑みを浮かべながら、顎に手を添える。


「いいや? 試合中の事故死に関しては、ルール上特に制限はないよ。

 ま、できるなら“殺さず壊して”くれた方が、僕的には再利用しやすくて助かるけどね?」


この外道ッ……!


俺が一歩踏み出そうとしたそのとき——

肩に、そっと手が置かれた。


「落ち着け、雷音」


その声は、深く、静かで、冷えていた。

乂家長女、羅刹。

その目はナイアに向けられていたが、燃えるような怒気ではなかった。

氷のように澄んだ、底冷えする殺意。


「……私もな、アイツには腹が煮えくり返ってる。

 だが、それでも挑発に乗ったら……ヤツの思う壺だ。

 だからこそ、静かに、確実に。——“殺れ”。」


その言葉は、まるで呪いのように、俺の胸に刻まれた。


俺はゆっくりと息を吐く。

拳を握りなおす。

冷静に、静かに。だが、確実に。


(いいだろう、ナイア。お前が作り出した“人形たち”。その歪んだ遊びの代償——命で払ってもらう)


試合開始まで、残り、わずか。

https://www.facebook.com/reel/424458137394489/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0

↑選手入場


https://www.facebook.com/reel/1766373494202446/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0

↑ヒロイン達のライブ


https://www.facebook.com/reel/361636853523993/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0

↑ナイア達のライブ※


↑イメージリール動画

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