表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/499

乂阿戦記1 第四章- 白の神子リーン・アシュレイと神鼠の鎧にして白神の槍ナインテイル-3 赤の勇者雷音と魔王オーム

(^^) ブックマークをお願いいたします!


読みやすくなりますよ❤︎



「はぁ〜〜〜〜」

ようやく和平交渉を終えた一行は、魔王城の応接室に集まり、一斉に溜息をついた。


「……ほんと、一時はどうなることかと思ったよ」

「まさか、神羅が“お姫様ポジション”で帰ってくるなんてな……」


あれから一時間後。何とか回復したザビエルと話し合い、正式に魔王城の賓客としてもてなされた一行は、ようやく一息ついていた。


「それにしても、まさか神羅がこんな形で戻ってくるとはなぁ……」

しみじみと呟く雷音の言葉に、皆もうなずく。


「ほんとだな。なんか雰囲気変わってるし、まるで別の世界に行って戻ってきたみたいだ」

「いや、本当にその通りなんだけどね」

雷華の言葉に、神羅がすかさずツッコミを入れる。


ちなみに今この部屋にいるのは六人。雷音、神羅、雷華、オーム、エドナ、絵里洲である。


記憶を取り戻した神羅――ユキルは、すっかり元気を取り戻していた。


「うわー、ユッキーから話は聞いてたけど、雷音君って本当に獅鳳に顔そっくり……」

「ね? 言った通りだったでしょ?」


茶菓子をひと通り食べ終えたあと、雷音がオームに切り出す。


「ところでオーム。俺は姉ちゃんを今すぐ家に連れて帰りたいんだけど、すんなり返す気はあるか?」

「は? 返すわけねぇだろこの脳筋! 返してほしけりゃ、俺を倒してみろってんだ!」


オームはいつも通り横柄な態度。だがここで引くわけにはいかない。


「なら、力づくでも連れて帰る!」

「やれるもんならやってみろ!」


こうして二人の戦いが始まった。


一方その頃――。


「いや〜ん! 見て見てユッキー! オーム君と雷音君、ユッキーを巡って戦い出しちゃったわよ!」

「まぁ、あの二人……昔から仲悪かったですからね」

「そうなの?」

「ええ。それに、私はもう身も心も雷音のものだし」

「え!? いつの間に!?」

「さっきトイレに行った時、『今夜部屋に来てくれ』って言われたんですよ」

「きゃーっ!!」

「エドナさん! 私の後ろで変なセリフ吐かないでください!!」

「あははは、お茶目やお茶目!」


などと、ほのぼのとした会話が続く中――外ではさらに激しいバトルが。


部屋を飛び出した雷音とオームは互いに譲らず、一進一退の攻防を繰り広げていた。


荒れ狂う魔力の衝突。

雷音とオーム──乂とタタリ、因縁を背負った若き戦士たちが、魔王城の中庭にて激突していた。


拳と拳。技と技。火花が散り、地が裂ける。


「神羅は俺の姉貴だ! 連れて帰るのが当然だろ!」

「ほざけ! お前のような未熟者が神羅を守れるものか!」


執念と執着がぶつかり合う。だが、その刹那――天が裂けた。


空より光の柱が降り注ぐ。

白銀の鎖が魔力の奔流を裂き、二人の体を絡め取る。


「ぐっ!? 身体が……動かねぇ!?」

「くそッ、魔法か……誰だ!?」


その瞬間、光の中心から一人の影が舞い降りた。


桜色の髪をたなびかせ、微笑を浮かべる女戦士。

その瞳はすべてを見通すように静かで、そして――強かった。


「二人とも、喧嘩なんて……ダーメ」


その声は、雷鳴よりも鋭く、春風よりも優しい。


「……神羅姉ちゃん!?」

「神羅……!」


神羅は鎖の呪縛を解きながら、すっと雷音の前に降り立った。

そして、穏やかに微笑む。


「悪いけど、雷音。今すぐには帰れないわ」

「……っ、どうしてだよ?」

「エリリンを元の世界に返してあげなきゃいけないの。それが私の、今の約束」


「神羅……」

オームがわずかに目を見開く。


「ありがと、オーム君。助けてくれて嬉しかった。けど、もう喧嘩は終わりにしようね?」


一瞬だけ、オームの頬が朱に染まったように見えた。

だがすぐに不敵な笑みに戻り、うなずく。


「……そうか。それは良かった」


神羅は踵を返し、空を見上げた。


「さて……じゃあ、アシュレイの城に行ってくるね。ミリルちゃんの家の【転送の刻印】を借りに」


その言葉に、雷音とオームが同時に声をあげる。


「待て、神羅!」

「今アシュレイ領は危ない!」


空に飛び立つ寸前、神羅が振り返る。


「……え?」


「戦の気配がある。メギド族がアシュレイ族に宣戦布告したらしい」

「ええー!?」


驚く神羅に、雷音が尋ねた。


「なあ、それよりお前はどうやってここに来たんだ? 来た時と同じ手段で帰れるんじゃないのか?」


「私たち、異世界転生トラックっていう魔法の車で、地球という世界からスラルにワープしてきたの。でもそのトラックはこっちにはないから、似たようなワープ装置を見つけないといけないの。覚えがあるのがミリルちゃんの家のやつってわけ」


神羅は逆に尋ね返す。


「ねえ、羅漢兄さんはどうなったの?」


その質問に、二人は黙ってうつむいた。

神羅は察したようで、それ以上は何も聞かなかった。


けれど、続く言葉は予想外だった。


「ねえ、アシュレイ領に一緒に冒険に行こうよ?」


雷音とオームが思わず顔を上げる。


「だって私一人じゃ荷が重いもん! 手伝ってよ?」

「ほな、ひさびさにウチとオームと雷音と神羅ちゃんでパーティー組むか!」

「姉様たちだけずるい! 私も一緒に行く!」

「私だって一人だけノケ者なんて嫌よ、連れてって連れてって!」


雷華と絵里洲も同行を求める。


「ええ? 大丈夫かよ? 絵里洲、ぶっちゃけ弱っちいじゃん?」

「ぐぬぬ……!」


戦い慣れしたメンバーの中で、絵里洲だけはほぼ一般人である。


「あの……絵里洲、良かったらこれ貸そうか?」

雷華がおずおずと一枚のカードを差し出した。


挿絵(By みてみん)


「【契約の刻印】って言って、強力な召喚魔法が使えるアイテムらしいよ」

「うわーん! 雷華ちゃんありがとう!」


「あはは……また、みんなで一緒に戦えるんだね」


そう言って微笑む神羅の顔は、雷音とオーム、二人の目にとても美しく映った。


そして六人は、ミリルの家があるアシュレイ領へ向かうことになった。

だが――その前に、やるべきことがあるらしい。


それは……武器屋に行くことだった。

六人が向かったのは、『アマゾネス』という名の店である。


https://www.facebook.com/reel/1103416821162126/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0


↑イメージリール動画

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ