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儀式

ようやく本題です。

これからいろいろとライトノベルになります。

我ながらすごい説明・・・「ライトノベル」万能説を唱えましょうか。


 昼食をとるのも忘れて、聖域に逃げ帰ってきた。

 コリドスの館に続く階段の前で立ち止まる。

 ここ聖域には男はいない・・・心が安らぐ。


 俺はこの時代に完全に打ちのめされていた。

 いや日本でも念友とか衆道とかあったけど、実際に巻き込まれるとすごくきつい。

 ニューハーフと違うのが自分の方が正しい道だと信じるあの目力だ。

 キラキラと迷いなくまっすぐに見つめてくる、あの瞳には、こっちの常識が間違っているんじゃと思わせる力がある。

 いかん!俺は女好き!女の子最高!!

 無理にこうやって自分を鼓舞する日が来るとは思わなかった……


 「アーシア様、昼食はいかがいたします?パンとワイン程度ならすぐ準備しますが?」

 かわいいよコリーダ。やっぱり女の子最高。

 「では、頼む」

 「はい、では昨日のお部屋にお持ちします。」

 そういうとコリーダは神殿のほうに戻っていく、昼食を運んでくるためだろう。

 手間をかけさせてしまった。

 俺は栗の苗木を背負って、一人階段を登っていく。

 そして歩きながら疑問に思ったことがある。


 なぜ俺は、ここにいるのだろう?


 今頃とか言わないように、まだこっちきて1日しかたってないんだから。

 一人になってるのって実は初めてだったりする。


 いつもだれか横にいたから考える間もなく対応してきたけど(対応できたのも不思議だけど)改めて考えてみると不思議な事態である。

 もしかしたら、実は元の世界でも隠れているが、ありふれていて知らないだけなのかもしれないが、そこまで考えるときりがない。


 誰かが召喚した?

 少なくともまだそんな人にはあってない。方法もわからない。

 神様が絡んだ?

 神様にもあってない。

 自然現象?

 聞いたことないし、当てはまりそうな例も知らない。


 思いついては否定して階段を登っているうちにコリドスの館に着いた。

 着いた瞬間にピュロスが現れる。


 「昼食はいかがでしたか?」

 その問いかけに、まず部屋への案内を頼み、市場での様子を歩きながら順を追って話していく。

 話を聞いていたピュロスの表情が警戒から驚き、笑み、最後には考え込んでいる。

 百面相を見てるのは楽しいけどポーカーフェイスって必要ないんだろうか?


 「ではその栗の木は預かります。聖域に植えればいいのでしょうか?」

 「問題なければ、そうして」

 栗の苗木を渡すと椅子に座って一息つく。

 ピュロスは中年の奴隷を呼ぶと木を植える指示をしていた。


 指示が終わったあたりにコリーダが昼食を運んできた。

 コリーダは食事をおくと、すぐどこかへ行ってしまった。急ぎの要件があるらしい。


 昼食はパンとワインだけだが空腹のせいでおいしく感じる。

 たぶん一仕事終わったのもあると思う。

 ワインを飲みたい気分になったがパンに浸すだけで我慢する。

 危ないところで体は未成年なのを思い出した。

 酒への強さが予想できない、午後の巫女長との要件がなければ酔っても構わないんだが……


 食べ終えると急かすようにピュロスが説明を始めた。


 「いまアレティア様が円形劇場を立ち入り禁止にして儀式を始める準備をしています。コリーダも周辺の警戒を行っています」


 儀式?見せたいものって儀式なのか。


 「この儀式を知っているのは真の巫女とその所有物のみです。神官長も知りません」


 トップシークレットなんだね。奴隷はいいのか?なんか不思議。


 「午後一時スポンデに始めるといわれています。至急移動願います」


 ピュロスの先導で食後の休みもなしに、急ぎ足で劇場に向かう。

 劇場周辺には武装した女性(たぶん奴隷)がコリーダの指揮のもと警戒していた。


 「お急ぎください、アーシア様。中でアレティア様がお待ちです」


 まったく人使いの荒い……いやまあいいか、アレティア様も忙しいんだろう。

 劇場に入るとステージの黄金鏡の前に30cmほどの円鏡を手にしたアレティア様が待っていた。


 「アーシア。これから儀式を始めます。私の位置にきて観客席の方を見なさい」

 唐突な宣言に驚くが、ともあれ彼女の横に急ぐ。

 立つと同時に彼女は円鏡を調整して黄金鏡に太陽光を反射させた。


 「太陽が明るくて高い時しかできないの」

 なるほど、それが急がせた理由かって納得すると同時に驚愕で固まった。


 黄金鏡から反射した光はまばゆく観客席を照らしていたが、そこに模様が陰で浮かんでいるのだ。

この模様は……たぶん……文字?それも使われなくなった線文字Bってやつだ。

ミノア文明の文字がなんで?


「この黄金鏡は光を当てると文字の影が入った反射光が出るの。どうして影が出るかは知らないけど使われている文字からミノア文明のものだと推定されているわ。」


反射光に影を出す・・・魔鏡だな。

あの鏡の裏側には文字が彫ってあるに違いない。

その文字を掘った後に表面を平らにすることで見えない程度の凹みができるってテレビで言っていた。

(クエスト:魔術要素の確定・・・特殊技能(魔術)ランクEに昇格します。」


それよりも何が書いてあるんだろう?


「文字も読み方がわからなくなって久しいわ」


え、読めるけど?

確かにめんどくさいけど、基本はヒエログリフから派生した感じだな。

表音文字だし……たぶんデモティックあたりをベースに発展……なんでこんなことがわかるんだ?


まあ表音文字ってのはひらがなと同じで記号一文字が音そのものを示すから、アルファベットのように子音+母音の表記に慣れた人には読めないと思う。


しかもものすごい量だわ。

全部の席にひとつづつ文章が浮き出てる。


とりあえず最初の部分は


「夜、座り、秘密の研究をした。

ブロンズ製の回転椅子で、一人きりで安らぐとき

人気のない場所から、小さい炎が出現する。

根拠の無い、誰もが信じることが出来ない事を語り出す 」


空想?随筆?この時代にSFですか?

適当に目についた部分を読んでいこう。


「火星は好戦的な強力な軍隊で我々を威嚇する

70回ふざけて血をまき散らす

水飼桶で教会は破滅する

そして、人々は教会に何も望もうとしなくなる 」


気の狂った詩集みたい。


日記みたいのがある。


「抗議の叫きが満ち溢れ、海は(滑車の)殻側へ、火星は 矢印の中に。

2月6日死すべき運命を教える。

人々の伝説の偉人はざわめきの中に偉大な突破口を持つ。

異国に橋を架けるど偉き者は死す 」


うーむ理解不能。


「環と百合の中からとても偉大な王子が生まれるだろう。

遅かれ早かれ彼の故郷に来る。

天秤宮に土星があり興となる一方

金星のある宮は力を失う。

それに続いて、婦人と男性は樹皮の下へ、

ブルボン家の幸いなる血筋を維持するために」


ブルボン家?ミノアにもそんな家があったんだ。


「千九百九十九年、七か月、

空から恐怖の大王が来るだろう、

アングーモワの大王を蘇らせ、

マルスの前後に首尾よく支配するために。 」


あーーこれノストラダムスの諸世紀だわ。

人類滅亡とかいろいろあったやつ。実際は当時の状況を詩にしたらしいってやつか。

小学校に入った時に噂になったね・・・懐かしなー♪


って?


ちょっとまてよ、なんでこの鏡、未来(DC16C)のことが書いてあるんだ。いま紀元前だぞ?


=アーシアのスキル一覧表=

汎用知識(ギリシャ地域)

一般技能(鑑定)

一般知識(公衆衛生)

特殊技能(尋問)ランクD

特殊技能(神学)ランクF

特殊技能(神聖文字)ランクF

特殊技能(法学)ランクF

特殊技能(料理)ランクD

特殊技能(詐欺)ランクF

特殊技能(薬草学)ランクE

特殊技能(弁論)ランクF

特殊技能(取引)ランクE

特殊技能(魔術)ランクE

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