19話
「あみちゃん、他に良いアイテム的なもの何かないかな。」
「んー、普通に数珠とか?ちゃんとした数珠なら悪いお化けは近づけなくなるよ。あと教本も。」
「良し、買おう。何でも買おう。で、数珠はわかるけど教本ってなんぞや。」
「教本って色々なお経が書いてある小さな本みたいなやつ。お寺によってデザインとか全然違うし、内容も少し変わってくる。うちにいっぱいあるよ、母親がそういうの大好きだからさ。悪そうなお化けは教本を避けるね。」
すかさず購入し、数珠を腕にはめ教本を開いた。中には色々なお経が漢字で書かれている。これって全部覚えておいたほうがいいのかな。フリガナが振ってあるけど全部漢字だし、もう訳が分からない。
「般若心経って載ってるでしょ。それどんな教本にも載ってるやつ。一番有名なお経だよ。護摩炊きの時にも唱えてたと思う。ずっと前にさ、知り合いのお葬式に行った時その死んじゃった人と話をしてたんだ。あの時はありがとうねーとか大変だったよねーとか。楽しくお喋りしてたのに、その人足元がもやもやし始めて、喋ってる途中だったのにいきなりスッと消えちゃったんだよ。もう私びっくりしちゃって、キョロキョロしてたら坊さんの口から金色の輝きがふわあっと出て来てて、その時唱えてたのが般若心経だった。多分成仏させられちゃったんだと思う。その坊さん般若心経の時だけ金色吐いてた。本当にしてやられたよって感じ。」
金色吐いてたってその言い方…。あみちゃんの話からすると、般若心経にはお化けを成仏させる力があるということになる。あいつらをやっつけるためにこれも覚えよう。
康平は教本のフリガナの通りに般若心経を何度も読み始めた。
「どお?また光ったりしてる??」
「んーとね、最初は光ってる。でも途中でつっかかったり間違えたりすると光は消えちゃって、そのまま続けても最後まで光らない。」
げ、間違えたら効力が無くなっちゃうってことか。こんな長いの間違えないで言えるようになる日なんか来るのかな。




