プロローグ2
「「ごちそうさまでした。」」
よし、腹ごしらえは済んだ、今後の事を考えなきゃな。
まずは、この森を抜けてどこかの街にでも行き、生活の基盤を作らなければ、子育てなんて、とてもじゃないができない。それと仕事だ。まぁ、その他はなんとかなるだろう・・・。
自分でいうのもなんだが、しっかりしているのか適当なのか、よーわからん。
あっ、息吹の目がとろんとしてる、このまま昼寝させてしまおうと思っていると、ファリスさんが息吹の隣に寝そべってくれた。息吹はきれいな毛並みに包まれて安心しきって眠ってしまった。ファリスさん、対応がとても人間ぽくて優しい、本当に魔物なのかなぁ?
「ありがとうございます」
「ところで、この辺に街はあるんですか?」
[森を抜けて、少しいったところにある]
「息吹が起きたら、その街に行ってみる事にします。」
[わかった、ところで、あなた不思議な魔力をしてる。まるでこの森と同じような魔力・・・]
・・・、なんのことだろう、自分には魔力なんてないはずなのに・・・。
!!、まさか転移により魔力が生まれたのか?
まぁ、確認の仕方も解らないから、人に会った時にでも聞いてみよう。
たぶん、変な顔にでもなっていたのだろう、ファリスさんが、俺の顔をのぞきこんでいた。
「よくわからないので、あとで調べてみます。」
そう言ってみるとファリスさんは、狼なのに複雑な表情をしていた。
そんな会話をしていると息吹がすぐに目を覚ました、もう少し寝るか?ときいてみると、首をふり起き出した。なのでさっそく街に向かおうと思いファリスさんに挨拶しようとしたら、
[乗って、森を抜けるまで連れていく]
「そんな悪いです、歩いていきますよ。」
[危険] 目が鋭くなった。
「すみません、お願いします。」
頭を下げ、ファリスさんを見る。
息吹め、もう乗ってらっしゃる、もちろんニコ顔だ。そんな息吹に苦笑しつつ、俺も後ろに乗った。
そこから、ジェットコースターのように流れる景色を、尻の悲鳴をBGMとし、薄れ行く意識のなか眺めるのだった。
どれくらい時間が流れたのだろう?
息吹の声が聞こえてくる、虚ろだった意識がもどってきた。相変わらず尻が痛い、まだ痛い。
尻をさすりつつ、息吹を見ると楽しそうに笑ってる。
「ファリしゅ~、もう一回」
[いくよ]
ファリスさんに襟首を噛まれ、上に放りあげられ空中をまわりながらファリスさんに着地。
お見事!!
「あ~、ぱぱやっとおきたぁ~」
「ファリスさん、色々ありがとうございました。また、会いにきますね。」
「ファリしゅ~、またくるね~」
[ふふっ、待ってるよ]
そう言うと、ファリスさんは森のなかへと消えていった。
うん、また必ず会いにこようと息吹とちかいあった。
そして、しばらく歩くと立派な門と外壁が見えてきた。 街だ..、ここから始まる異世界での生活、不安だらけだが楽しみでもある、息吹と二人でいつもどうりのんびりやっていこう。
あっ、魔力のことも聞かなければ、もしかして俺tueeになったりして・・・。
ないないっ、まぁ、所詮は俺なのでね。
よしっと、気合いをひとつ入れ、息吹の手をとり街の門へと向かった。