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3:バベル

「・・・さん!暘さん!起きてください!起きろー!」


 体を揺さぶられ、名前を呼ばれ、それに引かれて意識が目覚める。無理矢理起こされているせいで記憶が意識がはっきりしない。確か俺は処刑台に上って、死刑を執行されて、ということはここは死後の世界か・・・?


 目を開くとのんきそうな顔立ちの少女の顔がそこにはあった。


「あっ!やっと起きましたね!いやー、なかなか目を覚まさないから私の仕事も始まる前からプロジェクト中止かとヒヤヒヤしましたよ!」


 めちゃくちゃ元気な子だ、一言多い人はよくいるがこの子はあれだ、二言三言多い。


「君は誰だ…?俺は死んだはずなんだが、ここは死後の世界でいいのか?」


「私はここの案内役のコオニです!あっ!コオニって言うのは名前じゃなくて種族名ですよ!私達コオニは個体名を持たないので!そして死後の世界かという推測は半分あたりです!よくわかりましたね、でもあと一歩踏み込んだ正解じゃないと名探偵と呼んであげることはできません!ここは地獄!死後の世界の片割れ、罪を刻まれた魂が罰を受け、贖罪を行う所です!」


 洪水のような怒涛の勢いで質問への答えが押し寄せてくる。たった2つの質問に、無駄な情報と無駄な侮辱が加えられ、不必要な勢いを持った言葉の奔流に襲われる。


「コオニ…地獄…」


 よく見るとコオニの頭部には髪で見にくかったが小さなツノが生えている。そして周りを見回すと何もないとしか思えないほど暗く、目が焼けつくように明るく、砂漠のように暑く、極寒のように寒い、命を感じない静けさに、罪人の悲鳴と怒号が鳴り響く


 相反するものが共存し、独立し、ありえないはずのものがあり得ている。その光景は人間に不安を、終末を強く感じさせるには十分にすぎるものだった。


「なあ、コオニ、あそこにある塔はなんなんだ…?」


 そんなここが地獄であると説得力がありすぎる光景に、一か所だけ、ここが地獄だからこそあり得ないと思わせるものがあった。ありえないはずのものがあり得る、相反するものが共存する地獄において、その塔だけは神々しく、命を感じさせ、希望を感じさせる、ここが地獄だからこそ絶対にありえないもの。


「あっ、さっそく目を付けましたか!いいですね、いいですね!あそこに目を付けてくれるなんて私の仕事の手間が省けるってものです!その調子で行ってくれればワトソンくんぐらいの称号はあげてもいいかもですよ見習い探偵さん!」


 称号とかどうでもいいから早く教えてほしい、こっちは現状把握で精一杯なんだ。


「あの塔の名前はバベル、お釈迦様がお創りになられた地獄にある唯一の希望にして絶望!罪人達の欲望を集めて天まで届く、天国への階段です!」

そうです、隠す気もないので言いますが思いっきり蜘蛛の糸がモチーフです。自分の書きたい話があって、そこに蜘蛛の糸がモチーフとして綺麗にはまって、蜘蛛の糸を自分の好きな設定でもりもりデコってる感じです。なおデコる作業が大変すぎるためこれちゃんと書けるかなあと既に不安な模様

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