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【連載中】MOBILE FORMULA 2135 -スターライガ∞ 逆襲のライラック-  作者: 天狼星リスモ(StarRaiga)
【Chapter 2-4】その扉の向こうに待ち人あり

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【92】救いは人の手で

 エジプト・カイロでの話し合いの翌日――。


「――よし、みんな集まったな?」


スカーレット・ワルキューレ艦内のブリーフィングルームに先に入室し、準備を進めていたライガは後から入ってきたMF部隊及び保安部の面々を見渡す。


MF部隊のドライバーと特殊部隊に匹敵する戦闘能力を持つ保安部員が全員集められたということは、白兵戦まで想定した極めて高度な特殊作戦となる可能性が高い。


「それでは早速だが"ラムタラ演習"のブリーフィングを開始する」


事実、今回の作戦に付けられたコードネームは"ラムタラ演習"。


これはライガが命名したわけではないのかもしれないが、わざわざ演習などと銘打っている時点であからさまに怪しい。


「ライガさん、ここからは私が……」


「いや、これは極めて重要な作戦だ。俺自身の口から説明させてくれ」


また、通常のブリーフィングを務める戦術アドバイザーのステラ・アウレラの言葉を遮り、ライガ自らがプレゼンテーションソフトを使ってブリーフィングを執り行う点も極めて異例であった。



 先日、俺がカイロに飛び本作戦の準備に必要な交渉をしに行ったことは皆も知っていると思う。


その甲斐あってエジプト政府から領土内で合法的に活動する許可を取り付けることができた。


ただし、あまりのんびりはしていられない。


実質的に使える時間は……およそ72時間といったところか。


限られた時間を有効に使うことが本作戦のポイントだ。


戦術シミュレーション班が主体となって立案を進めた結果、本作戦は大まかに分けて3つのフェイズで進行させることになった。


まず、サレナの拉致に関与したと思われるカーメン・コネクションの拠点を特定し、侵入経路を確保する。


これについては彼女の状況をタレ込んだ"情報提供者"から既に信頼できるデータを入手している。


この衛星写真を見てくれ。


一見すると何も無い砂漠だが、どうやら奴らはこの砂漠の地下に要塞の如き構造物を築いているらしい。


それに誰一人気付かなかったというのも奇妙な話だがな……。


ともかく、第1フェイズではMFや重機を総動員して砂漠を掘り返し、戦闘部隊を侵入させられるだけの入り口を探し当てる。


もしかしたらここが一番時間が掛かるフェイズになるかもしれないが……ここで手間取っていたら先に進めないぞ。



 侵入口を確保したら少数のMFと白兵戦要員を乗せた全領域作業ポッドを突入させる。


ここから先は具体的な前情報は無い。


戦闘部隊に選出された者には困難が予想されるが、持てる能力を最大限活かすことでそういった状況は打開してもらいたい。


施設内の抵抗勢力を鎮圧しサレナの居場所を特定できたら、いよいよ彼女の身柄を確保して速やかに撤収する。


"情報提供者"から話を聞いた時点ではサレナに命の危機は無いと言っていたが……今どうなのかは分からん。


だが、どんな状態であれ彼女は必ず連れて帰る。


そして……いつも通り、戦闘部隊も全員無事に戻って来るんだ。


必ず生還せよ――たとえ冥府の神ヘカートナが死を強いるとしても、それは俺が許可しない。



「……さて、ここまで説明したところでなんだが、じつは戦闘部隊の具体的なメンバーはまだ決めていない」


プレゼンテーションソフトを操作するタブレット端末から手を離したライガは再び皆の姿を見渡す。


今回の作戦は閉所での戦闘が予想されるため、送り込む戦力を厳選する必要があった。


「とりあえず、MF部隊は俺の小隊を出すつもりだが……」


まず、敵の制圧など戦闘発生時の要となるMF部隊についてライガは自らが出ることを決めていた。


彼が率いるα小隊は救出対象の人物――サレナ・ラヴェンツァリが本来所属している部隊であり、またライガは幼馴染を助けるべく誰よりも準備に関わってきた。


「ライガさん、白兵戦要員の選出に関しては私に任せてください」

「ああ、任せるぞ。できれば人質救出作戦の経験がある者を中心に1個分隊規模の戦力を編成してくれ」


もちろん、彼は仲間たちを信頼していないわけでは無い。


実際に救出対象と接触する白兵戦要員を率いるフランシスの積極的な発言にライガは頷き、大まかな選出基準と必要人数だけを指示しておく。


後は白兵戦に精通したフランシスがベストメンバーを選んでくれるはずだ。


「……やはり貴女でなくてはな、ルナール先輩」


そして、ライガは最前列に座っている金髪と黄金色の瞳が印象的な麗人――ルナールに視線を合わせて微笑む。


「妻の妹であるならば私にとっても"妹"だ。家族を救うために率先して尽力することは当然だろう?」


急に話を振られながらもルナールはいつも通りの余裕綽々とした佇まいを崩さないが、その眼差しからは強い決意が感じられる。


彼女にとってサレナは義理の妹であり、直接的な血縁関係は無いとしても守るべき"家族"の一人だ。


「リリカ、レカミエ!」


椅子から立ち上がったルナールは独特なハスキーボイスで二人の人物の名前を呼ぶ。


「フッ、姉さんならそう言ってくれると思っていた」


彼女の妹リリカは姉の顔を見上げながら笑い返す。


「私も妻と息子がいる身として……あなたと同じ気持ちです」


また、オロルクリフ姉妹よりも遥かに若いが所帯持ちのレカミエも力強い返事で上司に同意する。


「決まりだな。MF部隊は俺のα小隊とルナール先輩のε(エプシロン)小隊、計5機で行く」


その遣り取りを見ながらライガはタブレット端末内の文書作成ソフトを起動し、出撃メンバー表の空白部分を穴埋めするのだった。

【Tips】

アメリカ系オリエント人という複雑な出自を持つフランシスはオリエント国防陸軍出身。

同軍でエリート部隊とされる特殊部隊などには所属していなかったが、総合演習での戦技を当時来賓として招かれていたスターライガ創設者に認められ直接スカウトされたという逸話を持つ。

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