おままごと未満
自由帳やチラシ、学校で配られたプリントを4つ折にして切り、折ってセロハンテープでとめて5センチ程の小さな袋を作り、その中に橙色の折り紙を小さく、細かく切った物を入れ、セロハンテープで封をして、袋の表面にポテチと書く。
橙色の折り紙を細かく細長く切り、数回ねじった物を入れた袋には、かっ○えびせんと書く。
更に小さく作った袋の中には、小さく丸めたティッシュを折り紙で包んだ物を入れ、袋にアメと書く。
茶色の折り紙でサイコロを作り、それをティッシュで包んで表にチョコと書く。
何をしているのかと言うと、おままごと。
厳密に言うならば、おままごとを始める準備だ。
子供銀行の紙幣を真似て自由帳を切って500円玉、100円玉、50円玉と作っていると弟が真似をしてお金を作り始めた。
そこで俺は切った自由帳にエンピツで「ガム」と書く。すると微妙に可笑しなスイッチが入り、ガムにするなら正方形よりも長方形だ。となり、1枚ずつ包んでみよう。となり、ガムはこんなにペラペラじゃないから紙を2枚張り合わせて分厚くしてみよう。となり。
最終的には袋を作り、ポテチを1枚1枚折り紙で作るという細かい事になったのだ。
しかし、これがまた楽しかった。
大量に作った「えびせん」を袋の中に入れて、ちょっと多く入れ過ぎた。だの、もう少し入れた方が良い、だの。
何日もかけてせっせと作った。
今日は野菜を作ってみよう。
今日は魚とお肉だ!
弟も変な拘りを見せるようになり、5円玉と10円玉に色を付け始めた。
もはや作る事が目的となっていたのだろう、俺はその作った小道具を使ったおままごとをした記憶がない。




