表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SHORTで、俺。  作者: SIN
小学校 中学年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
86/485

泥団子

 小学校の頃の遊びと言えば、泥団子作成。

 より大きくて綺麗な泥団子を作ったモン勝ち、と言う遊びが流行っていた。しかし、ナチュラルにボッチだった俺は外でそんな遊びをするよりも絵を描いたり、図書室で本を読んだりしている方が好きだった。

 とは言っても知性がまるでなく、テストの点数は限りなく一桁に近い残念な脳の持ち主だった俺が好んで読んでいたのは普通の本ではなく、だからと言って漫画でもなく、ピラミッドの謎と言ったロマンに溢れた本だ。

 この当時、将来の夢は本気で発掘現場で働く人、だった。

 そんな俺の所にクラスの女児がやって来てこう言った。

 「一緒に遊ぼう」

 仕方なく一緒に遊ぶ事にして炎天下の砂場に行くと、クラスの児童が集団で泥団子を作っていた。

 お前も作れ。そんな無言の圧力に負けて作っていると、隣にいた女児による、綺麗に団子を作るには、講座が始まった。

 水でドロドロにした砂を適当に丸めた後は乾いたサラサラの砂をかけて表面を綺麗にするのだと教わり、その通りにしてしばらく、多分泥団子作りに飽きたのだろう、男児がドッジボールをしようと言い出いだした。すると、周りにいた児童は皆グランドに向かって行くではないか。そして3人の女児は俺にこう言った。

 「私の団子も綺麗にしてて」

 1人分ならまだ何とかなったのだろうが、3人分。出来る訳がない。それでも頼まれてしまってはやるしかないとサラサラの砂を団子にかけまくった。

 サラサラの砂をかき集めていた指先の感覚がなくなり、ちょっと赤い液体が滲み出ても砂をかけ続けた。

 こうして昼休みが終わり、ドッジボールを楽しみ終えた3人の女児は砂場に戻ってきて、乾き過ぎたために真っ二つに割れた泥団子を目撃したのだった。

 「あ~あ」

 と1人は溜息を吐き、もう1人は黙って教室に戻っていき、そして残った1人は俺を睨みつけながら呟いた。

 「これやから木場君嫌いやねん」

 泥団子1つで人を嫌いになれる心の豊かさを持った女児の姿に、もう二度と女児からの遊びの誘いには乗るまいと心に刻んだ出来事となった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ