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SHORTで、俺。  作者: SIN
小学校 中学年

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78/485

褒められたから

 俺は魚が食べられないが、好きではあった。

 母が焼いた魚を「他におかずもないから」と、仕方なく食べていた時の事。

 2階から降りてきた母が、俺の頭を撫ぜながらこう言った。

 「お前が1番綺麗に魚食うわ」

 姉でも、弟でもなく、俺が1番。

 感心したように褒められ、その瞬間から俺は尾頭付きの焼き魚が大好きになった。

 姉は骨を取るのが苦手だったのか、お皿の上はグチャっとしていたし、弟は骨を取るのが面倒だったのだろう、大きく身まで残していた。

 俺が1番。

 初めての1番。

 魚は食べられない癖に、折角の1番を手放したくなくて、魚料理を食べる。すると、

 「お前は美味しそうに食べるなぁ」

 と褒められた。

 「美味しいもん」

 嬉しくなって笑顔で言うと、母も嬉しそうに微笑んでくれた。

 「いただきます、ごちそうさまも、ちゃんと言うのお前だけやで」

 小声で言っていた事を知ってもらえている。しかもそれを褒めてもらえた。

 俺は、認められているのか?

 酷く嬉しかった。

 恐ろしい程誇らしかった。

 その時の気持ちが残っているのか、俺は今でも時々焼き魚を食べ、いただきます。と、ごちそうさま。は、必ず言っている。

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