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SHORTで、俺。  作者: SIN
幼稚園 年長組

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竹馬参観日

 運動の時間に竹馬と言う厄介な代物が現れたのは年長組に入ってからだった。

 運動音痴を通り越し、ノンビリとしか動かない俺は当然乗る事が出来ない。

 初心者用に足の部分が2本ある竹馬もあったのだが、それにすら。だった。

 そして訪れる竹馬参観日。その名の通り竹馬に乗ってグランドをただグルグル回るという内容。その日に向けて児童は自分の乗る竹馬の作成から始める。

 長い2本の竹と、二枚の短い板4枚と、紐。

 作り方は至って簡単で、竹の節の上に2枚の板を紐でグルグルっとしっかり固定するだけだった。

 コレで本当に大丈夫なのだろうか?と必要以上に紐を巻きつけた覚えがある。

 自作竹馬に乗って何度も何度も練習を重ねていくうち、乗る事が出来るようにはなった。ただし歩けない。乗るだけだ。

 「その方が難しいやろ」

 とか笑われようが、歩けない。

 最終的には先生の補助付きで本番を迎えようと言う事になり、俺の竹馬上達はそこで完全にストップする事になった。

 そして迎えた竹馬参観日当日。

 練習ではガンガン乗れていた児童らが、見に来ている親に気をとられて乗れなくなる。と言う現象が多発していた。

 そんな中俺は、

 「自分で乗れや」

 と言う母の野次を聞こえない振りして、黙々と先生の補助付きでグランドをグルグルしていた。

 すると、スグ後ろにいた児童が竹馬から落ちてしまった。

 「あっ!大丈夫!?」

 先生は俺から手を離し、こけた児童に駆け寄った。

 支えを失った俺、奇跡的にそのまま乗り続ける事が出来…る訳がなく、そのまま真後ろにバタンと綺麗にこけてしまった。

 母の野次は、

 「受け身ぐらい取れや!」

 に変わっていた。


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