あくび
「あくびしないの!」
音楽発表会を間近に控え、歌の練習をしている時、俺はよくそう言って怒られていた。
眠くもないのに歌い始めると大きなあくびが出るのだ。
歌うと駄目なのだろう。と、口パクにしたって出るし、大きく口を開ける動作があくびに似ているので反射的に出るのかも知れない。と、口を小さく開けても出る。
定期的に舌や唇を噛んでも無駄、そこで編み出すのがあくびをあくびと思われないようにして出す口の形だ。
あくびが出始めたら口を半開きにし、歯を食いしばり、勢いよく息を吐く。しかしコレでは大口を開けずに済むが、顔面がどえらい事になって、結局あくびをしているとバレる。
こうして更に改良を重ね、終に発見した。
特に眠たくもないのに出てしまうあくびの撃退法を!
あくびが出そうだなぁ、と思った瞬間下を向き、出始めた時に思いっきり口を開ける。ただ開けるのではない。思いっきりだ。普段あくびをする時に開ける口と同じだけ瞬時に力を込めて、ガッと開けるのだ!
いつもなら「ふわわわ~~~はふぅ~」と長々と出るあくびが、この方法を使えば「ふわ、はふぅ」とスピーディーに終わる。
幼稚園児が考えたとは思えない画期的なあくび撃退法、俺は未だにこれであくびを撃退しているのだが、人間の体と言うのは成長と共に進化していくもの。
いつでも、好きな時にあくびが出せるようになりました。




