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ヒルコの娘は常世と幽世の狭間で輪舞を踊る  作者: 加藤岡拇指
師匠と私 ミラクル☆ガールズ
206/206

202 For so long , where did we go wrong.

ELOというかジェフ・リンの動向が気になっていたのでした。

ずんずんずんずん、たったたたた。

チーキーズが演奏を始める。

いつものデイジー・ベルではなかった。

「楽曲は何でもいいの?」

無窮丸文子が頸を傾げる。

「ノリノリなら何でもいいらしいよ」

取手頼子が他人事のように答えた。

「アニメの『GUNSLINGER GIRL』第1期の主題歌『THE LIGHT BEFORE WE LAND』のデルガドスもカバーしてたわね」

鈴鹿連が弟ゆずりの蘊蓄野郎っぷりを披露する。

「『GUNSLINGER GIRL』第1期は珠玉のストーリーが織りなす傑作だったなあ。浅香守生のストイックな演出が人殺しの道具としてしか存在できない少女たちの儚さを見事に描き出していた。マッドハウスが凄まじい仕事をしているよね。2期は……1期よりも原作に忠実なのだよ。原作者が監修しているし。そうなんだけどねえ……完成度は1期に遠く及ばなかったという。漫画原作を映像化する際にどう最適化するかの問題は奥が深いよなあ」

和三郎ならば、こちらが尋ねるよりも前に、勝手に追加情報を教えてくれただろうな。あいつは今、何をしているんだろうか? 警察に居るんだろうけど、何やってるか詳しくは教えてくれないしな。頼子ちゃんが私をヌイグルミ惑星に匿うくらいだから、かなり危ない仕事なんだろうなあと想像はつくんだけどね。

「ビールかなんかのCMでも流れてたよな」

宵闇が耳に聞き覚えがあったのか鈴鹿連に尋ねた。

「あなたがさっきビビってた「CONFUSION」と出処は一緒よ。「Mr.BLUE SKY」ね。猿も木から落ちるマカロニえんぴつの方じゃないからね」

「送り先聞いてなかったけど」

取手頼子が今気づいたというように宵闇に尋ねた。宵闇はすぐに返答ができない。ただの熱血刑事はアドリブが効かないようだ。

「じゃあ、北千住の交番前で」

無窮丸文子が即答する。取手頼子がこくりと頷いた。


北千住西口駅前交番。

華怜を狙ってタダシが起こした銃撃戦でつけられた弾痕の跡が禍々しく残っている。

立ち入り禁止のあの黄色いテープが赤い三角コーンの間に張り巡らされている。その前には手持無沙汰な警官が二人立っている。

その警官が耳を押さえて、中腰になった。強烈な耳鳴りが警官を襲ったからだ。その耳鳴りは徐々にメロディへと変わっていく。そのメロディに歌声が重なっていく。


「Mr. Blue sky, please tell us why,

You had to hide away

For so long (so long),

where did we go wrong.」

唄の後半部分がリピートされだした。

「僕たちどこで

間違ってしまったんだろう?」


警官は音源が何処か探すが判然としない。そんな警官達の前に多人数のシルエットが浮かび始めた。徐々に焦点が合いだして、師匠たちご一行の姿へとピントが合っていく。


「はい到着ー」

取手頼子が気の抜けた返事をする。

警官二人は固まったまま、クマのヌイグルミに囲まれた一行を凝視していた。



「スーパーガール」はやってること、ジェームズ・ガンのアクションシーンを踏襲しているんだけど、なんでかカタルシスが少ない。物語の組み立て方なんでしょうか?

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