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ヒルコの娘は常世と幽世の狭間で輪舞を踊る  作者: 加藤岡拇指
師匠と私 ミラクル☆ガールズ
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179 こっちの久本正は様子が違う

アクションシーンは見るのは好きだけど、振り付けは難しいなあ。

見るからに反社な黒スーツの男たちが、階段を駆け上がってきた。上がってきたは良いが、目的の部屋の前に背の高いスカジャンとスーツの男が二人。その奥に目的の女の姿がある。扉をこじ開けるなりして、女を拉致すれば目的終了だったのだが、想定していた状況とはどうにも違っている。躊躇して立ち止まった男たちを見てから、スカジャンの方が女の方を向いてニヤリと笑った。

「ほらね

なんでか揃いの黒スーツを着てることが多いんだけど、思うに『レザボア・ドッグス』以降に顕著だと思うんだけど、よっちゃんはどう思う?」

「ん-、そんなこと知らねぇよ。黒スーツっていうとキアヌ・リーブスだよな」

「エージェント・スミス、もしくは『ジョン・ウイック』のケプラー繊維編み込みスーツだな。ここ最近は大抵悪い奴はこういう格好をしているね」

たたらを踏んで戸惑っている様子の黒スーツを前に、悪い奴ほど黒いスーツを着ているあるあるを展開する二人の男。緊迫している状況のはずなのに、なんともくだらないバカ話をする師匠と宵闇の姿に、思わずあっちの華怜は吹き出してしまった。

「いつからって言うより、白いのが正義で黒いのが悪みたいな、単純な理由じゃないの?」

ついつい話題に参加してしまった。

「そっちの方がわかりやすいな。おっさん、蘊蓄語り過ぎなんだよ」

宵闇が肩を小さく揺らしながら笑ってみせる。


黒スーツ達は最初こそ戸惑っていたものの、目的を思い出したのか纏っていた気配が一変した。

「へえ。どこかのチンピラかと思ったら、少しは出来るようだなア」

師匠が黒スーツ達を一瞥して、にたりと笑う。宵闇は取り出した伸縮式警棒をしゅっと伸ばして身構える。黒スーツ達は無言で身構える。リーダーと思しき男がシュっと息を吐く。それを合図に男が二人、師匠に肉薄する。人二人が並んで通れるか通れないかくらいの狭い通路での戦いである。多対孤ではあるが、この狭さ故一度に攻撃してくる人数は限定される。多数の方が圧倒的に不利である。


勢いよく殴りかかってきた黒スーツを師匠は半身になり避ける。男の勢いを利用して、右腕の袖を掴んで引き込み、身体を入れ替える。

「ふんっ」

師匠は鋭く膝を男の顔面に叩き込む。めりりぃっと鼻骨の砕ける音が狭い階段に響く。師匠は敵に背面を向けたわけで。黒スーツは此処が好機とばかりに、師匠に迫る。その側頭部に宵闇の警棒が打ち込まれた。そのまま手すりを乗り越えて、階段下へと落下していく。階段途中にいた男の上に落下、そのままもつれるように転げ落ちていった。

後ろに控えていた男の喉元を、宵闇の刺突が突きこまれる。

「……ッ」

男はその場に頽れる。後ろから新たな男が迫る。倒れた仲間を容赦なく踏み越え、後続の二人がナイフを抜いて二人に迫る。

師匠は最短の動きでナイフの刺突をかわすと、男の顔に顔面へ掌底を叩き込み、怯んだところをナイフを持つ拳を掴み、そのまま強引に捻じった。もちろん曲がらない方向に無理矢理である。


ごきり。

手首があらぬ方向に捻じ曲がる。同時に攻め込んできたもう一人は、宵闇の警棒の餌食となった。


おそらく久本正によって藤堂華怜を攫うべく、遣わされた男達であったのであろう。

「こっちのタダシくんは単なる脳筋では無いようだな。本人が出張って来ると踏んでいたんだけどな」

師匠の言葉にあっちの華怜が大きく頷く。

「それそれ、あたしも思った。あたしの世界(とこ)のタダシはもっとバカだったよ」

遅ればせながら『外道の歌』第1シーズンを鑑賞。「もう二度とウンコできないねえ」

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