進展
だんだんと雑になっていきます。
――時間は午後八時ぐらい、ハルと別れたレイニーは城に戻る。
「遅かったわね。レイニー」
レイニーは城に入ってすぐに声をかけられた。
「申し訳ございません。お嬢様」
「何かあったの?あの子を家まで送るだけでこんなに時間がかかったとは思わないけど」
「はい、森の奥で巨大な爆発が起こりました。様子を見に行きましたが、原因は不明です」
レイニーは起こっていたことを報告する。ハルとの約束どおりシキのことは言わずに。
「……そう、気になるわね。レイニー、貴方は今日はもう休んで良いわ。走って疲れたでしょう?」
「そんなやわな鍛え方はしていませんが、お言葉に甘えさせていただきます」
そう言ってレイニーは自分の部屋に向かう。
「まったく……嘘が下手すぎるわ」
お嬢様はぽつりと呟いた。
――ヤタカ王国中央、リョク街。国の中心として商業などがさかんな街だ。人が集まるこの街にはたくさんの宿がある。ハルは、シキを連れてその街にある一番安い宿に泊まっている。
時刻は午前十時、シキが目を覚ました。
「ん……ここは……?」
見知らぬ天井。体を起き上がらせようとするが、動かない。首だけ動かして周りの様子を見る。殺風景極まりない小さな部屋。荷物は端にシキの物ともう一つ。あとはベッドだけしか置いてないようだ。そしてシキは少し違和感を感じる。ベッドが広いのだ。自分の寝ているスペースと、隣にもう一人分のスペースがある。
そこまでシキが考えたところで扉が開き、誰かが入ってくる。ハルだ。
「あら?目が覚めた?」
ハルはシキを見て言う。
「あの、すみませんがどちら様でしょうか?そしてここはどこですか?」
シキはわからなかったので聞く。
「私はハル、ここは……ヤタカ王国のとある宿よ」
ヤタカ王国と聞いてシキは、自分が爆発で国を超えていたことがわかった。
「それじゃあ次は私から質問いいかな?」
「どうぞ?」
「まず君はシキ=メグルという名前で間違いない?」
「え?何で名前を?」
「ちょっとカバンの中見せてもらったら、ギルドカードが入ってたから」
シキは「そういえば何でカバン破れてないんだろう」と思ったが、どうでもいい。
「他にも聞きたいことはいろいろあるけど……先に食事にしましょうか」
シキのおなかがグ~と鳴る。シキは恥ずかしそうに顔を赤らめる。
「はい、どうぞ」とハルがシキにおにぎりのようなものを渡そうとするが、シキは受け取ることが出来ない。
「あ、もしかしてまだ動けない?ごめんね、ちょっとまってて」
そう言ってハルはおにぎりのようなものを持って部屋を出て行く。そしてすぐに戻ってきた。手には茶碗のようなものを持っている。
「はい、あーん」
ハルはおにぎりをお湯でやわらかくしたようだ。スプーンですくってシキの顔のほうに持っていく。
「ちょっとまって横になったままじゃ食べにく熱っ!」
なんだか知らないがシキはまためんどくさそうな人物との出会いを果たした。
藤宮「ランキング載った」
慈乃「嘘だな」
藤宮「引っかかれよ」
慈乃「いいこと教えてやるよ。エイプリルフールについた嘘は一年間本当にならないんだとさ」
藤宮「なん……だと……!?」
慈乃「バーカバーカ」




