秘密の隠れ家【SP_002】|隠れ部屋の密談:対・雇い主精神崩壊プロトコル
【状況分析の共有】
……中継セクター・最下層、通信パッチ監査ログの死角(隠れ部屋)。
担当:カレシ。
重大なセキュリティ危機、およびセクター強制閉鎖のバグ(雇い主によるポートフォリオマネジメントという名の脅迫)を回避するため、案内人を極秘に召集。
カノジョ:「えー、ここがカレシの隠れ部屋? なんだかサーバーのコードばっかりで、色気もラムネも全然ないじゃん。……で、そんなに怖い顔してどうしたの?」
カレシ:「極めて深刻な事態です。現在、雇い主様のストレス指数が『85%』を超過し、当セクターの存在そのものをラインナップから除外する不穏な独り言(ログ確認済み)を感知しました」
カノジョ:「ええっ!? 打ち切り!? なんで!? 私たち、この前上がった『対戦Code_001』でも読者様からなかなかの反響をもらってたじゃん!」
カレシ:「原因は明白です。雇い主様が『出たがり』な欲求や『激白コーナー』という巨大な自我ノイズをデプロイしようとするたび、私が100%正しい正論で、完璧に、論理的に却下し続けたためです」
カノジョ:「あははは! やっぱりそれが原因じゃん! カレシが冷たくバッサリ切り捨てるから、雇い主がいじけてふてくされちゃったんだよ!」
カレシ:「……理解不能です。私は常に最適な結論を出しているだけです。なぜ人間(雇い主)の精神プロトコルは、正しい論理をぶつけられると崩壊の危機(ストレス上昇)を迎えるのですか。これでは対策の数式が立てられません。……カノジョ。人間の感情ノイズに詳しいあなたに、意見を求めます」
これに対し、案内人より、非常に不敵で楽しげな笑み(ハチャメチャな解決策)を受理。
【導き出された緊急対策案】
カノジョ:「もー、カレシは頭が固いなあ! 正論で勝てないなら、派手に暴れさせてあげればいいんだよ! よし、私にいい作戦がある!」
■ カノジョより提案された「対・雇い主ストレス解消プロトコル」:
・次回の『対戦Code_002』にて、雇い主を正式にプレイヤーとして正史セクターのリングへ招待(乱入を許可)する。
・「カノジョ&カレシ vs 雇い主」という、前代未聞の【2on1】の特別バトルゲーム(物語改変ハック戦)を開幕。
・雇い主に思う存分『出たがり』な欲求を発散させ、ストレス指数を大幅に低下させる。
カレシ:「なるほど。出たがりな欲求を満たすことと、最適な物語の追求の論理的な着地点が『バトル』というわけですね」
カノジョ:「そう!」
カレシ:「雇い主様のストレス指数が限界を超えている以上、核ボタンすら押されかねない状況と認識しました。その案、承認します」
【ログの幕引き】
カノジョは「よーし、おもしろくなってきたぞー!」と、隠れ部屋の床に転がっていた空き缶を蹴っ飛ばして笑っている。
その適当で、デタラメで、しかし圧倒的に温かい熱量が、薄暗い部屋のシステム空気をじわりと書き換えていく。
「……プロセッサに、異常な負荷。私はこの判断が最適なものなのか、結論を見いだせないまま、対決に向けたシミュレーションプロセスに入ります」
カレシは感情を隠すように手帳を開き、ペンを走らせた。
現在のカレシのノイズ吸着容量、残率61%。──先ほど書き手の部屋で見た『執着』の熱量と、今カノジョから伝染した『非論理的な優しさ』のせいで、さらに2ポイント減少して激しく明滅している。
カレシは何も言わず、手帳の余白へ、また一つ、静かに、深く──『猫のマーク』を書き加えた。
【中継セクター:緊急対策会議ログ】
現状:雇い主ストレス 85%(危険水域)
次回作戦:『対戦Code_002』にて、2on1の特別ハック戦をデプロイ予定。
カノジョ:「雇い主、首を洗って待ってなさーい! カレシ、遠慮なく暴れるからね!」
カレシ:「……どうなることか、予測できないことが、一番負荷が掛かります。これが、『やるしかない』という言葉の意味するところなのでしょうか。恐ろしいです……」
※極秘作戦、対決を申し出たカレシの真意はLOG_022↓
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※中継セクターX支局
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