1.幼年期 ちちをかむ
目を覚ますと、目の前に美少女のドアップの顔がある。うるんだ瞳と長い黒髪が美しいアイドルなみの美少女に思わず笑みがもれる。
「うふふ、よいこじゃ。母も、お前にでやーてうれしいだがや。」
なんと、この娘が、俺の母だというのか。どう見ても、13歳のJCにしか見えんぞ。昔は早婚だったと聞くが、さすがにこれは、犯罪だろ。それにしても、言葉が良くわからない。どこの方言なんだか。
「さー、ちちをのみゃーれ。」
なんと、なんと、こんどは、いきなり、目の前に巨乳が出現した。授乳の時間か。13歳の巨乳など、本当に反則だな。
くく、苦しいぞ。鼻をふさぐな、息ができないだろ。おもわず、ジタバタすると、この娘は、俺をがっちりとホールドすると、さらに巨乳を押し付けてきた。大人の男だったら、嬉しいけれど、今の俺には、殺人鬼のように思えた。
「痛!」
必死の思いで、乳首に噛みつくと、布団の上に投げ捨てられてしまった。
ったく、赤子を投げるなんて、ひどい母だ。だいたい、歯も生えていないのだから、大して痛くはないだろう。こっちは、緊急回避行動なのだし。
「お方様、なりません」
傍らの侍女が、思わず叫ぶ。俺は、思わず、母の顔を睨んでしまった。
「だって、こう子が父をはむだで。泣きもせずに、睨むなんて怖い」
しまった、ここも泣くべきところだった。子供たちもとうに成人だし、赤ちゃんのことなど、とうの昔に忘れてしまった。
そういえば、孫の顔を見れないのは残念だなどと感慨にふけっているうちに、どうやら、俺は、里子に出されることになったようだ。
「おかつどのに、乳母をさせよ」母は、侍女に、命じた。
まあ、アイドル顔に喜んだり、おっぱいに噛みついたり、睨みつけたりすれば、普通に怖いよな。失敗、失敗。中身に気付かれたら大変だよね。自重せねば。もうちっと、アイドルを鑑賞していたかったが、残念だ。
連れてこられたのは、二十歳くらいの女性のところであった。俺より、少し早く生まれたのであろう、もう一人の男の子がいた。とても、優しい感じの丸顔の人だ。さすがに、慣れているのか、母とはちがって、上手におっぱいを飲ませてくれる。さすがに俺には幼児プレイの趣味はないが、腹が減っていたので、とても幸福感に包まれた。また、眠たくなってきたぞ。
しばらく経つと一人の武士がやってきた。髭を生やした精悍な若侍だな。細マッチョってやつか。俺の息子と大して年は変わらないだろう。若者は、なにか紙に書いた書面を見せる。
「吉法師とせよ」
お七夜か。それにしても、きっぽうし? は、俺の名前のようだが、変な名前だな。どうやら、この若者が、俺の父親らしいが、吉法師とは、坊さんのような名前だな。てことは、父は、僧侶なのか?いや、まて、この時代の僧侶は、頭を丸めていたはず。髪を頭の上で結っているいわゆる茶筅髷という形なので、武士に違いない。近習らしき若侍を従えているのと、その者が、旦那さまと言っているので、ちょっとした地方領主かもしれない。だいたい、乳母を付けられるほどなので、そこそこの身代なのであろう。よし、まずは、新しい身分は、そこそこのものようなので、運命に感謝だな。まずは、これから、どうやって新たな人生を送るのか、考えてみることにしようと、おれは、決意を新たにしたのだ。