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1.幼年期 情勢を占う

まず、今の自分のポジションを明らかににしたい。

周りの侍女たちの話し方から、どうやらここは尾張のいづれかの小領主のところだろう。俺の事は、四郎様と呼ぶので、領主の四男坊ということだ。母である巨乳少女は、お方様と呼ばれているという事は、正妻のはず。その幼さが残る容貌や、育児に不慣れなことから推測すると、俺が初産の子であろう。つまり、俺は嫡男ということだ。人生のやり直しとしては、最低の出だしだ。

なぜなら、戦国時代の尾張は、俺の前世の記憶の中では、群小な領主たちがあまたいて、名のある有力な戦国大名が出なかった。

そして、いずれ隣国の大大名の今川家に併呑される運命のはず。今は、併呑前なのか、その後なのかで、自分の将来に多少の違いがあるが、いずれにしても、最後は、本願寺の門徒勢の革命によって、封建領主としての武士階級は滅び、大坂の教主様が支配する宗教国へと変わっていく。それなのに滅びゆく武士階級の嫡男なんて、最悪だろ。

だいたい俺は、宗教など信じちゃいないし、日曜日に寺にいって僧侶の話なぞ聞いたことも無い。日に何回も石山へ向って念仏を唱えるなど面倒臭いし、だいたい、金にもならん。そもそも俺のような庶民と同じくただの爺さんの僧侶たちをありがたがるなんて、あり得ない。何ら実利も施さず、自助努力もせず社会の役に立たないものが、社会を支えるおれたちサラリーマンより尊ばれて、ふんぞりかえっているのはおかしいだろ。国民は皆んな洗脳されてるんだな。

とはいえ、赤ん坊の俺には何もできないし、いくら前世の記憶持ちだと言っても、脳みそは新生児だ。巨大なメモリーに似合わない8ビットのCPUみたいなものだ。疲れて、これ以上考え続けることができないので、もう寝るよ。

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