【要約】(第37章から第39章)
【要約】最期の要塞:いずも、大地に立つ
沖縄本島上空でのB-29壊滅後、米軍は海上からの大規模攻撃を計画。片倉大佐は、その卓越した情報収集能力でこれを察知し、護衛艦「いずも」と「むらさめ」を沖縄北部の海岸に座礁させるという奇策を発動。両艦を**「動かない陸上飛行場兼要塞」**へと改修する、過酷な作業が始まった。
「いずも」の艦体は土嚢と鉄板で補強され、艦橋や通信設備は厚い装甲で覆われる。陸自の火器や旧海軍の機銃が仮設架台で増設され、対艦・対上陸艇用の**「陸上砲台」となる。F-35Bのレーダー部品を転用したAESAレーダー**が拡張され、「いずも」は戦域全体の「目」として機能する。格納庫はF-35Bの「戦闘出撃セル」に再構成され、貴重なステルス機の運用を維持する。
一方、片倉は潜水艦「そうりゅう」艦長・竹中二等海佐に、米重巡洋艦「インディアナポリス」の撃沈という、本土への原爆投下阻止の決死の任務を命じる。「そうりゅう」は「目」となり、「伊58」が「牙」となる未曾有の連携で、原子爆弾の海路輸送阻止に挑む。
牛島大将の地下司令部では、この「いずも」の座礁を組み込んだ**「三層防衛線」**が策定される。F-35Bによる電子妨害と限定攻撃が「前面阻止層」、座礁艦隊が「中距離火力層」、そして沖縄守備隊と海自火器が「近接拒否層」となる。片倉は、この戦いが「勝つためではなく、1分でも長く、1メートルでも奥で、世界に訴えるため」の戦いだと告げる。
艦を陸に上げ、潜水艦が牙となり、未来の技術で過去の戦争を変える。沖縄の「いずも」は、まさに人類史の分岐点に立つ「最期の要塞」と化す。