【要約】(第25章~第27章)
【要約】資源の枯渇:未来の艦隊、過去に自活す
沖縄沖でのB-29迎撃戦の勝利後、旗艦「いずも」の作戦室では、F-35Bの燃料・ミサイル枯渇、護衛艦の燃料不足という現実が突きつけられた。片倉大佐は「このままでは自壊する」と危機感を募らせ、**「この時代で自活する」**ための緊急会議を開始。
まず「燃料問題」では、旧海軍の重油を簡易蒸留プラントでディーゼル燃料に改質する**「簡易燃料精製試行計画」が始動。艦の寿命を削る覚悟の決断だった。次に「弾薬問題」では、枯渇したミサイルに代わり、F-35Bやドローンの「未来の目」で旧海軍の火力を精密誘導する**「未来の照準×過去の火力」戦術が提案され、唯一の道となる。
「そうりゅう」型潜水艦の酸素・バッテリー問題、「いずも」艦内の食料・水枯渇、医療品不足も喫緊の課題に。片倉は、旧海軍との**「物々交換式の準連合体制」**を構築し、米や魚介類と引き換えに抗生物質や通信機器を提供、医療インフラの活用も模索する。高度な整備が不可能な電子機器には、旧軍兵への簡易保守教育で対応。
一方、沖縄での連敗にスプルーアンス大将は激怒。「魔の島」と化した沖縄の占領を一時断念する。ワシントンでは、トルーマン大統領が「ダウンフォール作戦」の遅延と「異常事態」への対抗策として、原子爆弾の製造を4発に倍増。広島、長崎に加え、東京と北九州への同時投下準備を命じる。
資源枯渇とタイムパラドックスの脅威に直面しつつも、歴史を修正しようとする海自。しかし、その介入は、敵の技術進化と、より苛烈な核攻撃計画を加速させていた――。