【要約】(第19章~第21章)
【要約】地下要塞:沖縄の抵抗と未来の代償
ひめゆり学徒隊との邂逅を終えた山名三尉は、第32軍司令官・牛島満大将が練る**「地下要塞」**の防御計画を目の当たりにする。首里を中心に掘り進められた地下トンネル網は、米軍の地雷や火炎放射器への対策が施され、独立した砲兵陣地や野戦病院を備える「戦闘と生活が一体となった要塞」だった。
一方、旗艦「いずも」では、海自艦隊司令・片倉大佐が、タイムパラドックスの発生確率上昇に苦悩する。介入が歴史を歪め、**「日本が存在しない未来」**すら危惧される中、潜水艦「そうりゅう」艦長・竹中は「我々は歴史の修正という使命を確信していた」と片倉を鼓舞する。
その頃、米太平洋艦隊司令官スプルーアンス大将は、沖縄での予期せぬ敗退に激怒。日本の「見えない敵」と「座礁艦隊」の反撃に業を煮やし、本土爆撃用のB-29部隊を沖縄本島への集中絨毯爆撃に振り向けるという苛烈な決断を下す。グアム、サイパン、テニアン各基地から、無数のB-29が沖縄へと飛び立ち、史実を上回る空からの猛攻が開始された。
山名三尉は、シュガーローフで再攻撃を退けた牛島大将に、米軍のB-29による空爆計画を伝え、新たな防衛策を練る。米軍が予期せぬ戦術と技術に直面する中、未来の介入は、悲劇を加速させるのか、それとも沖縄を守り抜くことができるのか――。
未来からの介入が、歴史を狂わせ、究極の選択を迫る。空からの死神と化したB-29が迫る沖縄で、彼らの命運は?