【要約】(第16章~第18章)
【要約】過去と未来の交錯:沖縄の戦場に立つ自衛官
シュガーローフでの米軍再攻撃を退けた数日後、沖縄戦線は束の間の静寂を迎えた。しかし、米軍は海上からの大規模砲撃と追加上陸で強行突破を計画。この動きを「いずも」艦隊は察知し、片倉大佐は、限られたミサイルを温存し、海上防衛を戦艦大和の砲撃能力に全て託すという異例の決断を下す。
大和艦橋では、海自からの正確なデータリンクを受け、砲術長・江島中佐が未来の技術と融合した「最高精度の砲撃」を準備していた。まもなく米軍の艦砲射撃が始まるが、海自の電子妨害で砲弾は逸れる。
「撃てッ!」江島の号令と共に、大和の46cm主砲が咆哮。観測弾からの精密な修正を受け、次々放たれた巨弾は米輸送艦隊を壊滅させ、護衛駆逐艦も沈没・大破させる。この予期せぬ正確さと破壊力に、米太平洋艦隊司令官スプルーアンス大将は激怒。「未来の照準器か!」と、その異常な戦術に戦慄する。米軍はB-29の増援と本土空襲を加速させ、「ダウンフォール作戦」を前倒しする。
一方、シュガーローフの戦場では、海自情報幕僚・山名三尉が、史実で自決したはずの第32軍司令官・牛島満大将と直接連携。未来の精密情報で米軍の動きを予測し、陸軍の防衛線を強化する。疲弊した兵士たちが、未来の情報を「天啓」と受け取る中、山名は野戦病院で**「ひめゆり学徒隊」の少女たち**と遭遇。未来からのチョコレートを差し出し、彼女たちの勇敢さに言葉を失う。
未来を変えようとする介入が、予期せぬ形で歴史を加速させ、悲劇と希望が交錯する。過去の戦場で、未来の自衛官が見る「日本」とは――。