【要約】(第7章~第9章)
【要約】歴史の抵抗:未来の介入が招く予期せぬ戦局
1945年4月7日の沖縄沖海戦後、大和の奇跡的生還と「見慣れぬ艦隊」の出現は、日本軍中枢に「神風」と「天祐」の熱狂をもたらした。大本営は戦意高揚に利用する一方、その異質な艦影に一部幹部は困惑。陸海軍の確執も影を落とす。
しかし、海上自衛隊司令・片倉大佐の表情は硬い。彼らの介入が招くタイムパラドックスの可能性に、電子戦士官・三条律は「最悪、『日本』そのものが存在しない未来」を警告する。彼らの戦いは、未来を脅かす諸刃の剣だった。
海自は、歴史のさらなる歪みを避けつつ、沖縄陸上戦へ**「情報」と「精密な支援」**で介入。「いずも」からの無人機MQ-9Bが米軍配置をリアルタイムで露呈させ、大和の主砲は未来の座標情報で正確に敵を叩く。一方、「まや」のイージスシステムがミサイルを迎撃し、F-35Bが制空権を掌握。「そうりゅう」は米潜水艦を無力化し、補給線を寸断する。
最初の6日間で沖縄戦は塗り替えられたが、米軍の反撃は苛烈さを増す。スプルーアンス大将は「奇妙な敵」に驚愕し、対抗策を模索。B-29による日本本土空襲は前倒しで激化し、本土上陸作戦「ダウンフォール作戦」も前例のない速さで加速される。片倉たちは、自分たちの介入が、別の形で悲劇を加速させている可能性に気づき始めていた――。
未来を変えようとする介入が、予期せぬ形で歴史を抵抗させる。彼らの戦いは、勝利の先にある、さらに大きな試練の始まりだった。