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第3章 プロローグ 鉄仮面の女

誤字・脱字はご容赦下さい

●第3章 プロローグ 鉄仮面の女


東へ続く街道。

俺達を乗せたホロ付きの小さな馬車は乾いたその一本道をのんびりと進んだ。

二日ほど変わり映えの無い荒地を進む。すると小さな小川がいくつかあり、そこに掛かった小さな橋を越えた辺りになってくると街道の周りはうっすらとした背丈の低い草がちらほら生える草原へ景色は変わって行った。

あと一日このままのペースで進むと、ラッセル領の中心都市コリンダークの街に着くはずだ。


「この大陸は広いなぁ・・・・」

前方は見渡す限り背丈の低い草がまばらに生えた草原だ。俺は呟く。

すでに周りには西日が差しかかり、まばらに生えた草は黄色く輝いてそよそよと風に揺れている。俺はタバコを吹かしながら馬車の運転席でぼんやり手綱を握っていた。


隣に座るメイベルは俺を見上げて言った。

「そういえば昔ケンスケがいた所はどういう所なの?」


「ん?」

俺はメイベルを見た。メイベルは綺麗な藍色の眼をしている。

じっと見つめたらメイベルは慌てて下を向いた。


「俺のいた所は小さな島国だよ。だからこんな景色は中々見れなかったんだ」

すると貨車の中にいたグレースは俺の話に興味を持ったのか後ろホロから顔を出した。


「ふーん」


俺は大きく伸びをして後ろにいるグレースに言った。

「おーいグレース、そろそろ休憩にしようか。夕暮れまで少し時間はあるけど、コリンダークまではまだかかりそうだ。今日は少し早いけどあの丘の上でキャンプでも張ろう。」


「そうだな。明日朝ここら辺から出発すればその日のうちに街に着くから今日はこの辺で野営するのもいいかもな」

グレースも賛成のようだ。


俺達は街道の端から少し丘へ登った所へ馬車を止め、野営の準備を始めた。

俺はテントを張り、グレースとメイベルは焚火の準備をした。

しだいに薄暗くなって来た頃。


「・・・・・ケンスケ、何だあれ。向こうから何か来るぞ」


街道の方から馬に乗った一団が砂煙を上げてこちらへ向かってくる

俺達は急いで馬車に戻り武器の確認をする。


「・・・ん??」


その一団は俺達の近くまで来ると全員馬を降りた。俺達の馬車を見ている。

見たところ全員が甲冑とマントといった姿。賊という訳では無さそうだ。


「・・・領主軍の騎士団かな?」

グレースはそう呟いて俺を見た。俺達は首を傾げながら様子を見ていた。


しばらくして、向こう一団から二人の人物がやって来た。

薄暗くてよく分からないが一人は中年の男性。もう一人は鉄仮面を被った人物だった。


中年の男性は俺達に向かって言った。

「すまない、そこの御仁、我々はラッセル伯爵領の騎士団、私はロベルトという者だ。あなた方はラサンの英雄、ケンスケ=マルボル殿とその御一行とお見受けする」


ロベルトは俺達の前で地に片膝を着いて挨拶をしてきた。


(どういう事だ?・・・?? 騎士ともあろう人が突然なぜ俺に?)


「・・・・・はい。俺に一体なんの用ですか?」


すると突然、ロベルトの隣にいる鉄仮面の被った人物がその仮面を脱いだ。

綺麗な金色の長い髪がふわりと仮面から零れ出た。

辺りが薄暗くてよく見えないが若い女性のよう・・・。


「ケンスケ様ぁ―!!!!」


(誰だぁ!?)


ガバッ!


(!!??)


ぎゅーーーーーーーっ!!


「えッ!? えええええっ!!!!???」



俺はいきなりその女性に抱きつかれた。




「異世界で働くおっさんの話  第3章」



始まります





読んで頂きまして誠に有難うございます。3章のスタートです。

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