第20話.少女との出会い
誤字・脱字にはご容赦下さい
●20.少女との出会い
「ああー、失敗だったなぁ・・・。」
俺はがっくりうつむき。
ポクポクと足元から響く馬の蹄の音を聞きながら、荒野を進む。
しばらく進んでいるうちに、
ああ、会社へなんて報告しよう・・・・・。
街に行けたはいいが碌な調査は出来ず、引き返す羽目となった。
営業先の仕事で思うような結果の出せなかったサラリーマン達が考えるようなくだらない言い訳を俺は悲しい気持ち一杯で探していた。
これといった言い訳が浮かばない。
恨めしそうに振り返ればつい先程まで砂煙の先に小さく見えていたラサンの街は丘の影に隠れもう見えなくなっていた。
もうすぐ夕方となる、足取りは重い。
もうすぐ目印の小川があり、そこをずっと上流にいくと拠点の近くの沢があるはずだ。
本当にどうしようかなぁ・・・・・。
斜面を下り川添いに出たところを進んでいると
倒れている人を発見した。
「人だ!」
馬を降り、急いで駆けつける。
粗末な服を着てボロボロになった子供のようだった。
粗末な服は川の水で濡れておりその子の意識は無い。
生きている。だがかなり衰弱しているようだ。
銀色の髪が額に張り付き顔は見えない。
俺はひとまず仰向けにして抱きその子供の額の銀髪をかき上げてみた。
擦り傷だらけだが綺麗な顔立ちの少女、首には小さな金属のタグが掛けられていた。
「お、おい!おいっ!」
相変わらず少女の意識は無い。
俺は迷うことなく回復魔法を掛け、自分の来ていたマントを少女に巻き付けた。
何度も何度も繰り返し魔法を掛ける。
次第に体中の擦り傷は消え、顔色は少し良くなっているようだ。
少女は未だに眠ったままだった。
少し考えた後
「やっぱり急いで街に戻らないと。」
ここからまだ拠点は遠い。
若干、少女の顔色は良くなっている。
だが拠点へ帰るまでこの子は持たないかもしれない。
そもそも冷静に考えてみると拠点へ連れて行くこと自体、今は夕方、魔物が頻繁に出没する山道を進まなければならない。俺一人ならいざしらず、少女を連れて行くこと自体不可能に近かった。
俺は少女をおんぶした状態で持っているロープで俺と少女の体をぐるぐると巻き、
急いで馬に乗って街へ引き返すことにした。
馬にまたがり街へ向かう
「・・・・と、・・・うさ・・ん・・・・」
背中のから、かすかに声がした。
俺はすぐに振り向き後ろの俺と結んである少女を見た。
夢を見ているのだろう。
目をつぶったまま未だ意識が混濁しているようだ。
眠っているようで動かない。
「おっ!おい! しっかりしろ!すぐに助ける。」
声をかけてみたが背中の少女は力無くぐったりと目を閉じたままだった。
「・・・・・・。」
俺はこの命の炎が消えそうになっているボロボロの少女の事を考え
どうしょうもない程のやり場のない怒りにかられた。
ようやく街の入り口をくぐった時には、
周りがやや薄暗くなり始めた頃だった。
「ベンジャミン! いるか! 誰でもいい。来てくれ!」
俺は酒場の向かいにあったまだ人の気配のしている役場に駆け込む。
「ケンスケ!?そんなに慌てて一体どうしたんだ?」
ベンジャミンが慌てて奥から出てきた。
「人が倒れていた。かなり衰弱している。医者はどこにいる?」
ベンジャミンは俺たちの様子を確認しにきた
「子供じゃないか。・・・・・・!?」
ベンジャミンは少し考えたのち
「ついてこい。」
一言そういって俺たちを街の教会へ急いで連れていってくれた。
教会の前まで来た時、ベンジャミンは立ち止った。
「・・・・・」
「・・・・どうした?」
「ケンスケ・・・・残念ながら奴隷を助けてくれる病院なんてこの街にないんだ。
奴隷はあくまで個人の商品なんだからね。気持ちは分かる・・・・。勝手にかくまったり世話なんかをすると罰せられてしまう。でもここなら暫く大丈夫かもしれない。・・・・・・俺は見なかった事にする・・・」
ベンジャミンは下を向き体を震わせるように言った。
「・・・すまん、恩に着るよ。」
俺はそう言うと
「・・・・あとは俺が上にはうまいようにごまかすよ。」
ベンジャミンはそう言って急いで役所へ帰って行った。
有難うございます




