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第19話.保安官

誤字・脱字にはご容赦下さい

●19.保安官


どうしてこうなった・・・・・


役所を出て思いっきり凹んだ精神のまま、店に戻ろうとトボトボ歩いていると。


「ねえ君。」

びくぅぅぅっっ!!! (ぎゃぁぁああああああーーーーー!!!)


背後から突然声を掛けられ死ぬ程驚いて振り向いた。


気の弱そうな青年がいた。


「あ、いやいや。さっきのは凄かったね。ええと俺はベンジャミン=ラッセル。

こんなんだけど俺、ココの役場で保安官やってるんだ。君、名前は?」


「・・・・・ケンスケ。」


「ケリーとやるのかい?」

ベンジャミンは聞いて来た。


「・・・・・。」(どうしよう・・・・。)

俺は答えられない。


「お礼に僕も君に一杯オゴらせてくれないか?」

ベンジャミンは笑顔で俺に酒場へ勧めた。


(まずい・・・。逃げられねえ・・・。)


この青年ベンジャミンはここの領主の四男坊で辺境のこの町の役場に領主より配属された貴族との事。今回ケリー一家と事を構える事になった俺に対して話が聞きたかったとの事。

よかったら一緒に戦うことが出来ないかと相談してきた。

ケリーのせいで領主の立場もそうだが、この街に赴任している自分はもっと周囲の立場が悪いらしい。

でもそれ以上に彼は正義感があり、この街の為には自分の命を惜しまないと俺に熱く語っていた。


「手助けはいらねぇよ。」

(ごめんね。俺は逃げるつもりだ。 こんなとこマジで勘弁だわ・・・・ああ、今晩逃げるか。)



「そうか残念だね。でも、どうするにしてもしばらくは大丈夫だよ。あいつはたぶん数日ぐらいはこっちにいないはずだから・・・・・。」


「そうなのか?」


「ああ。昨晩、ヤツがこの町に向かっていた商隊の一つを襲ったという連絡が入ったからね。明後日にはこっちに領主軍の兵隊が見回りが来るのさ。だから奴が戻ってくるのは兵隊が帰ったその後だ。」


(ナイス!ベンジャミン。逃げちゃうよ、俺。)


「本当か?」


「ああ。昨晩、襲われた商隊は襲撃の後、馬車が燃やされた。夜に襲撃をかけるのはヤツの常套手段なのさ。しかもヤツの剣は相当な腕だ。その上魔法も使う。元々どこかのお抱えの騎士だったって噂だ。」


(うわぁああああああー、勝てる気しねぇーーーーー!!!)


「ありがとよ。」


ベンジャミンはこの街のケリーのアジトがある場所を教えてくれた上、役所にあった馬をケリーと決着がつくまで、と言って一頭、小金貨一枚で貸してくれた。

俺はこの気の弱そうな青年、ベンジャミンにお礼を言って別れた。





その後。



・・・・・ごめんね。


俺はこの街を出た。


うん。俺には仕事があるからね。仕方ないんだよ。

今月も終わるし、会社に連絡取りたいし、冷蔵庫のお肉も心配なんだよ。

俺だって都合があるのさ。賞金稼ぎじゃなくってサラリーマンだし。


ぶつぶつ・・・・・。


酒場の隣にある宿屋に泊まるフリをして窓からこっそり脱出。

拠点に向かって馬を出した。



でも馬に乗っても走らせる事は出来ない。



だって乗馬、はぢめてなんだもん。




有難うございます

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