ニースとの決闘。
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勢いよく扉は開かれ、ニースが入って来る!
「リリちゃん!」
俺の隣に座って寝ているバタカフェを見てちゃんと俺と勘違いしてくれているみたいだな。
このゲームの仕様上ニースはネームプレートを見ても実は誰だか分からない。
同じ勢力の人間であれば、ちゃんと名前は出るんだが、潜入や潜伏と言った事もこのゲームは容認しているので、別の勢力で会った場合は名前は表示される事が無い。
「ここまで追って来たか女。
しかし、これは余の所有物となった。
お前の元へ戻る事は無い」
「貴方を倒してリリちゃんを取り戻す!」
ニースは武器を構えた。
俺も武器を構えようと思ったが……
大鎌を武器にしたら俺の偽物と被るので刀を構えた。
【号令】を使って、ショコラに『ニースを倒した後に合図を送る、合図を聞いたら登場してニースを助けろ』と指示を出す。
ニースは突進してきて、自慢のワールドルーラ―級の剣で俺を突き刺そうとするが、俺はそれを躱して反撃の一撃を入れる。
俺のステータスはかなり高いので、それなりのダメージは通ったみたいだな。
ニースは俺から距離をとり、遠距離から攻撃を仕掛けてくる。
魔法も強力だな。
遠距離から攻撃され続けるのは不味い。
それなら後ろを取らせて貰おうか。
俺はスキルの【眷属召喚】を使って、ニースの背後から攻撃をさせる。
眷属って狼や大きな蝙蝠なのか。
吸血鬼が出て来るものと思っていたが……と言う事は血族召喚で人型の奴等が出てきそうだな。
ニースが眷属達に構っている内に俺も間合いを詰め、攻撃を加えていく。
眷属達は一撃でやられたが、もう距離は取らせねえ。
ニースは近接戦闘の方が得意らしいが、それはリアルでなんらかの護身術をしているからなのだろう。
だが、剣を使った戦いは俺の方に分があるみたいだな。
俺もダメージを喰らっているが確実に被弾数はニースの方が多い。
そして、俺は攻撃を加えればライフスティールの効果があってどんどん回復していく。
ニースは距離を取る為に天井付近まで飛び上がるが、残念ながら俺も飛べる!
空中戦に関しては更に俺の方が有利だ。
空中ではニースの攻撃はただ腕を使って剣を振っているに過ぎない。
俺は空中戦の経験もあるし、水中で剣を使った戦いもした事がある。
この機を突いて、どんどんニースにダメージを重ねていく。
空中戦が不利だと言う事に気が付き、地上に降りたな。
すぐに俺も追って激しく剣を叩きつける!
「焦っているな、女。
余はまだ遊び程度の力しか出していないぞ?」
「嘘でしょ!?
傷が……治ってる!?」
「相手をよく見て戦う事だ。
余はノーライフキング。
不死の王だ」
「私の攻撃が通らないだなんて……そんなのめちゃくちゃじゃない!」
素直な奴だな。
焦って攻撃が雑になっている。
ちゃんとスキルも使っている様だが、一度決まればコンボを繋げてくるはずなので、スキルを使った事を見極めて丁寧に捌いていく。
流石にHPが多いのか、その後三十分ほど攻防を繰り広げた所でニースの息が切れ始める。
瀕死のエフェクトが入ったか?
そろそろ決着をつける。
ニースの攻撃を躱し、刀によるスキルを使ってコンボを叩き込む!
壁際まで押し込んだニースに、最後の一撃を態と外し、顔の横に刀を突き立てた。
「良い余興であった」
俺は振り返ってバタカフェの元へ行く。
『ショコラ、出番だ!』
俺がバタカフェを抱き上げようとすると、光のエフェクトによって弾かれる。
ダメージが無いのでいまいちどんな効果なのかは分からないが、ちゃんと来てくれたみたいだな。
「ニースちゃん追い詰められているようね♪
でもぉ、ショコラが来たからもう安心だよぅ♪」
ニースが傷を癒されて、回復していく。
ショコラが来た事で、一気に形勢逆転だ。
後は適当に戦って、逃げ出すだけだな。
ショコラは弱そうな神霊を二体召喚してどんどん俺に攻撃を加えて来る。
辺り判定はあるがダメージは通らないので、俺が追い詰められる様な事は無い。
ニースも遠距離攻撃で攻撃を仕掛けて来るな。
出来れば近接戦が良かったが、こんなもんで良いだろう。
「まさかこれ程の力を持った人間が二人もいるとは驚きだな。
少し分が悪い。
余はまたその娘を奪いにくる。
その時は遊ばずに殺しておくとしよう。
さらばだ!」
スキルを使い、蝙蝠の大群になって俺はこの場から去った。
ショコラに、冒険者ギルドの執務室へ帰る様に伝え、俺も引き上げる。
多分ホルスに乗ったニース達の方が早く辿り着くが、執務室にはバタカフェの振りをしている雪之丞が居るはずなので問題ない。
俺が帰った後にニースに見えない所で全員元に戻ればいい。
後は、ニースがやる気になってくれれば作戦は大成功だ。
急いで冒険者ギルドへ戻り、【号令】で帰って来た事を伝え屋根の上で待つ。
しばらく待っているとサッと雪之丞が目の前に現れた。
「ニースさんはショコラさんが部屋に連れて行ったので、もう戻っても大丈夫っすよ!」
「わかった。
ニースはどんな感じだった?」
「ショック受けてたみたいっすね!
とりあえず、時間がないので眠っているバタカフェさんと変わって元に戻るっす!」
俺は執務室へと戻り、バタカフェと交代してソファーの上に横になる。
バタカフェはいつもの服装に戻って執務室の椅子へ座る。
俺が【号令】でショコラに合図を送ると、すぐにショコラと二人でニースが部屋に入って来た。
「リリちゃん! 大丈夫?」
「何があったのか思い出せないんだけど、ニースが私の事守ってくれたの……かな?」
ニースは順を追って、何があったのかを説明してくれたんだが、俺の見ていない所でもなんか色々とやってたみたいだな。
「守ってくれてありがとう!」
「ううん、私一人じゃ守れなかった。
お礼を言うなら駆けつけて来てくれたショコラちゃんに……かな?」
「ニースが居なかったらショコラちゃんが助けに来れなかったし、私一人じゃすぐに攫われちゃってたから。
守ってくれたのはニースだと思う。
だから、ありがとう!」
「うん! あの人また来るって言ってたから今度は一人でも守れるよ様に腕を磨いておくわ!」
よし、強くなる事を選んでくれたな。
次の目的は、地上にいるもう一人のプレイヤーを倒しに行きたい所だが、プレイヤー同士の攻城戦もスケジュールに組んでおかねえとな。
ニースにもっとやる気を出させる為に、先にそっちを始めておくか。




