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ニースにゲームを楽しんで貰う為の作戦。

ブクマ、評価、コメントあったら幸いです宜しくお願いします!

 俺が凄かったと褒めてやると、ニースはご機嫌だ。

 これが全部作られたシナリオなのだと気付けショックを受けるだろうな。

 だから今はこれで良い。



 ニースを完璧に倒すならもっと本気になって貰わねえと困る。

 その上で完膚(かんぷ)なきまでに徹底的な敗北を与えるのが俺の納得いく勝利条件だ。、



 もっとゲームに意識を持って行かせるには、一度敗北を味合わせてやった方がいいかもしれねえな。

 となると……



 一対一で分からせてやるか。

 どうせならそれなりに演出も凝ってドラマチックにしたい。

 


 ホルスの背に乗って考え事をしながら一西(いちにし)の城までやってくると、ひょん太郎達が待っていた。

 雪之丞《ゆきのじょう》もいる。

 無事に守り切れたみてえだな。



 ここでタナトスに髪の毛の束を渡されても困るし、渡そうとする前にタナトスを収納する。

 そして【号令】を使って、ニースと俺を二人だけにする様に指示を出した。



 「そう言えばボク天守閣(てんしゅかく)の上に一度登って見たかったんすよ!

  カフェさんフェニックスで連れていって貰えるっすか?」

 「え? 今から?

  まあ、いいけど」

 「我も妖怪の里があると聞いて早く見たいと思っていた。

  少し(のぞ)いて来る」

 「皆どっか行くのぉ?

  それじゃあショコラも三助喫茶(さんすけきっさ)で遊んでこようかなぁ♪」



 雪之丞(ゆきのじょう)とバタカフェがフェニックスに乗って飛び去ると、ひょん太郎とショコラもその後を追う様にこの場を離れてくれた。

 


 「二人だけになっちゃったね?」

 「うん、みんな戦いに緊張してたんだよきっと。

  私達も町とか見ながらゆっくり帰ろう」



 俺は満面の笑みを浮かべたニースを連れて歩いてその場を離れた。

 


 その間に俺はやっておくべきことを急いでやる。

 まずは雪之丞(ゆきのじょう)達に指示を出す。



 『ニースを一対一で叩きのめす。

  だが、演出に凝りたい。

  雪之丞(ゆきのじょう)は魔王の俺に化けて俺を(さら)え。

  場所は(ともえ)の国にある一年中桜が咲いている桜田門の町だ。

  タイミングは俺が合図を送る。


  バタカフェはバタ影と同じ格好をして海辺の町マーレに屋敷を作ったから、その屋敷の地下にある聖堂の椅子に座って待っててくれ。


  ひょん太郎とショコラはサポートだ。

  雪之丞が(ゆきのじょう)が俺を(さら)ってからニースの視界を(さえぎ)れ』



 皆にはだいたい俺のやりたい事は伝わっただろうし、今言った事は確実にやってくれるだろう。

 他にも細かい指示をニースとの会話の合間などで伝えた。



 「そうだ! お花見に行こう!

  雪ちゃんがすごい綺麗だって言ってたらか見に行きたいと思ってたんだけど……いいかな?」

 「うん! いいよ!

  ホルスに乗っていけばすぐに辿りつくわ!」



 「せっかくだから輿(こし)に乗って行こうよ。

  明日から皆忙しくなると思うし、今日はのんびりしよう」

 「のんびりかぁ……わかったわ!」



 ゆっくりとニースとの会話を楽しみつつ、輿(こし)を使って(ともえ)の国にある桜田門の町へとやって来た。

 ん? なんかすげえ目立つ目印があるな……



 輿(こし)から下りると凄く分かりやすい目印が地面に描かれているが、ニースには何の反応も見られない。

 特定の人物にしか見えない目印を使っているって事か。



 多分雪之丞(ゆきのじょう)(さら)いやすい場所を知らせてくれているんだろう。



 俺は目印のとおりにニースを連れて、沢山桜のある通りに出て来た。

 普通ならNPC達がいるんだが、誰も出歩いてねえな。

 俺は『いつでもいいぞ』と合図を送る。



 「人……いないね?」

 「そうねぇ……何かおかしい……」



 しばらく桜並木を進むと強い風が吹き、大量の桜の花弁(はなびら)が舞い上がる。

 それはグルグルと目の前に集まって行き、周囲を舞う花弁(はなびら)が真っ黒に染まった!



 いつの間にか空を暗雲(あんうん)(おお)い隠し、周囲は暗くなる。

 どうやって雲を用意したんだよ?

 よく見ると神霊らしき奴がチラっと見えたな。



 集まった花弁(はなびら)が黒い炎に包まれた後、その場所に魔王の姿をした俺にそっくりな見た目の雪之丞(ゆきのじょう)が立っていた。

 ドクロの仮面は付けていない。



 「リリちゃん、気を付けて!

  様子が変だし、あの人……すっごい美人!」

 「うん……え?

  あっうん」



 魔王の姿の雪之丞(ゆきのじょう)はニヤリと笑みを浮かべ、丁寧な仕草でお辞儀をする。



 「余はお前を迎えに来た、冥府の底へと連れて行ってやろう。

  さあ、余の手をとれ」



 喋り方は兎も角、冥府ってなんだよ?

 変な設定付け足しやがった!

 それに、なんか手を差し出して俺を見つめてんな……演じろと言うわけか。

 俺は、放心状態になったみたいな感じでゆっくりと魔王へと歩み寄っていると、ニースに抱かれて揺さぶられる。



 「リリちゃん! しっかりして!」

 「邪魔だぞ女」



 一瞬にして魔王はニースの背後に回って耳元でそう囁いた。

 いくらニースが強くても、雪之丞(ゆきのじょう)のこのスピードには反応すら出来ねえ。

 とっさにニースは腕を払う様に攻撃をするが、あっさりと(かわ)され、魔王はニースから俺を奪ってニースから距離を取る。



 「下僕よ、あの女の相手をしてやれ」



 魔王がそう言うとフラフラとした足取りでひょん太郎が出て来た。

 こいつら遊んでやがるな……

 


 ニースが俺を追おうとすると、ひょん太郎がニースの足を止める。

 ひょん太郎相手にニースも攻撃が出来ないみてえだ。

 その隙に魔王は俺を抱いたまま悠々(ゆうゆう)と笑い声を上げながらその場を立ち去る。



 そのまま雪之丞(ゆきのじょう)に抱かれて空無河童(くうむかっぱ)のいる小屋へとやってきた。

 文句を言いたいが時間も無いので、西治大帝国(さいじだいていこく)まで飛んで行くと、ショコラが先に待っていてくれた。



 そこからメロンに乗って海辺の町マーレへと向かう。

 


 「なんだあの演出は?」

 「海辺の町マーレまでの移動時間を稼ぐ為だよぅ♪

  ひょん太郎ちゃんがニースに(まと)わりついている間に移動するの♪

  戦うかどうかはニースちゃんしだいだけどぉ♪

  最後に倒れて、海辺の町マーレの情報を漏らしてくれるからちゃんと誘導出来るよぅ♪」



 「まあ、楽しんでんならそれでいいよ」



 海辺の町マーレに辿り着くと、ショコラが神霊を召喚してまた暗雲を作り出している。

 空高くには、ハーピーがギャーギャーと鳴きながら旋回している。

 演出に(こだ)りたいとは言ったが、ここまでするとは思わなかったな。



 屋敷に入ると修道士の格好をしたセイレーン達が悲壮感のある歌を歌っている……

 適当に作った地下への入り口に案内してくれているな。



 地下の聖堂は戦いやすい様に頑丈で広く作ってある。



 バタカフェはバタ影の振りをして一番奥にある椅子に座っているので、俺も横に並んで魔王の姿でニースを待った。

 ニースが来たらバタカフェにはずっと眠っていてもらう。



 そして、雪之丞(ゆきのじょう)には冒険者ギルドの執務室で待機してもらって、バタカフェを演じて貰う。



 一緒に居るはずの雪之丞(ゆきのじょう)は遊びに出て行って帰って来ないって事で良いだろう。



 一時間くらいした後、ついに聖堂の扉が開かれた。

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