↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/113

イアンの街 って感じ(3)

さて俺は俺の料理をしよう、素材は置き竿に掛かってたハゼ数匹と、デンゴ(小アジ)が十数匹、そして小鰯(カタクチイワシ)が山ほどだ。


ハゼとデンゴは頭を落として内臓を出して下準備はOK、ハゼはもっと数があれば醤油で甘辛く煮て柳川風っていうのか?そういう感じでも美味いのだが今回は数が少なすぎるのでデンゴと一緒に揚げる予定だ。


さて山ほど釣った小鰯の処理だが、ちょっとしたコツがあれば誰でもできる。

尻尾をつまんでエラの所に微妙な感じで爪を立てて引っ張る……すると頭と内臓が一発で抜けるのだ!!

と偉そうに言っても地味な作業だが内臓はエグミにつながるので最低限の必要な作業なので頑張って黙々と頭取りの作業を完了してゆく。

鱗?そんなものは、もぅこれらの小鰯らには無い、《七回洗えば鯛の味》と言われるように先に釣り場でバケツの中で海水で洗ったので、もう鱗は残っていない後は好きに料理が出来るんだ。


何故かスミカが取っていった小鰯の頭取りも手伝わされたが、これに文句は言ってはいけない言えば……もう分るよな?


必要な下処理が終わって気が付いた、この後調理するための道具が無いということに、普段ならダンボールを縛る、あのビニールのベルトを使うのだがビニールなんぞはこの”アナザー”に存在しない。


悩んだ挙句ライドの街で確保した”しなる木”の上等な素材でUの字の変わった木製の包丁を作らせてもらった。親方さん’Sには渋い顔をされ、ゲイル、イクスには色々文句は言われたがたちまち(とりあえず)は最後の報酬で分配を少なめにすることで手を打ってくれた。

好きなだけ文句言いやがって、反撃覚えとけよ?


イザコザはあったが、調理道具は作れたので、せっせと調理しようと思う、頭を残しておいた小鰯のエラ付近から道具を差し込み尾っぽに向かい引っ張る綺麗に分かれる半身と骨、ひっくり返し同じ作業をする。


調理中ではあるが、味の確認という名のつまみ食い、生姜をちょっと落とした醤油で味見をする。


うん普通に美味い、他に料理している奴等が興味深そうに見ていたが味見は却下、もしもつまみ食いに手を出そうものなら思いっ切りスリッパを、ぶち込むこれは絶対だ。


小鰯の三枚おろし?も、し終わり残りの三分の二の料理もしておこう、半分はミリン1酢2醤油3の配分で作った特性ダレに漬け込む、普通なら一日以上漬け込まないといけないのだが、アプリの調整力?に期待し酢を1ほど多く足して漬け込んでみる、これで骨まで美味しく柔らかく変化してくれればいいのだが。


残りの三分の一はハゼ・デンゴと共に軽く小麦粉をかけて油で揚げる、いい色具合に揚がったら油切り用の網の上に置いて、さっと塩を振りかける元の美味しさがあるのだから下手にいじるのはバカのやることだ。


そして俺の料理は完成した。今回作った料理、出来で(潰れなければ)一升は優に俺は呑める自信はある。

さぁレイドメンバー共どんな素材でどんな料理を作った?いざ尋常に勝負じゃぁ。


と、密かに対抗意識をもって参加した慰労会?であったが対抗心をことごとく挫かれた。


『うをぉぉぉ~懐かし~”クジラの竜田揚げ”じゃないか?ビールに合うのは間違いない』

俺のテンションが上がるのは間違いじゃないよな?

(おそらく)全国の小学生が給食に出るのを楽しみにしていた一品がその場に会ったのだから。

「初めて食べましたけど美味しいですねぇ」

「おぉ、これがクジラか?うめーな!!」

とか言ってるレイドメンバー……マジカ?ナニ?初めて食べたとか?給食で揚げパンと同じくらいの人気のクジラの竜田揚げを知らんのか?

「でも親方さん‘Sは、知らへんかもやけど、あんまやっとると棒海犬って輩から苦情くるかもしれへんから自重しといたほうがいいかもしれんよ?」

ラナお前一貯前に説教か?って親方さん‘S(ゲンさん、ドランさん)二人でクジラ仕留めたの?



「あのぉ~イクスさんからセイさんにと持ってきたのですが」

ん?ラナさん、それ何?聞いてみるとウツボの唐揚げらしい……ウツボか、まぁ勝負といってしまったので食ってみることにするか。

ガブッ

・・・・・・ん?何これ?これが魚?あの蛇みたいなやつか?これは鳥の唐揚げじゃん?うーまーいーぞ~~旨みが強いのにこれが魚かぁ?

不覚にもガツガツ食ってしまった。悔しさのあまりイクスを見てしまう、イクスのくせに、イクスのくせに・・・


イクスは取り遅れたのか小鰯の刺身の皿の前で、ちょっとの切れ端のみを小皿に入れた状態で、空になった大皿を見ながら半分涙目になっていた。

まぁ煮干しといったことは水に流してやろう。


後でチビチビと飲みながら食そうと取っていた小鰯の刺身を、イクスに分けてやりながら一緒に呑んだ。

ゲイル?知るか!!お前はどっかで飲んどけ!!

この夜、俺はイクスと地味な男同士で友情を深めたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。