思わぬ収穫 って感じ(3)
「「「「「『おつかれー』」」」」」
「なぁ、ダンジョンクリアの報酬が欲しいのならトレードで入手できるのに、生産職がなんでダンジョン潜るんだ?」
『俺は生産職じゃないよ。 それに工房にこもりっぱなしだと、飽きるだろ? 預かったYANは入口に居るアレックってやつから返してもらってな報酬もそのまんま貰ってくれ』
「そんなもんかね~まぁいいや、また機会があったらヨロシクな」
俺は罠解除を取っていないので、現在はPTダンジョンを回って、ドアの回収班になっている。
ボスを倒した後PTを解散させて、ボス部屋で分かれる。【治療薬】を静かに作れるからと、ボス部屋に一人残るが、実はドアの回収作業をするためだ。PTダンジョンでは他PCの目もあるので途中の罠からの採集は諦めているのが現状だ。
『堅い木のドアか、ラッキーだな』
もうリアルで約2週間近くたつが、ドアの乱獲のしすぎで今ではボス部屋のドアの出現率は1/4以下になっているのでドアが出て喜ばしい限りである。それに大きいまま持って帰れる俺にとっては、堅い木のドアは当たりなのだ。
ドアを取り外しアイテムボックスに入れる。アイテムボックスがいっぱいになったので一回街に帰らないといけないなと考えながらダンジョンを出る。
『アレック、 アイテムボックスがいっぱいになったから街に帰るぞ』
「まだゲイルがダンジョンをクリアしてないから先に帰ってて。それとさっき運営からお知らせのメールが入ってたか
ら確認しておいた方がいいよ」
という会話を済ませ街へ戻ってゆく。街に程るのには索敵のLVも伸びているし、ブチの索敵能力も高いし問題はない。 しかし運営からのお知らせとはなんだろう?工房にたどり着いたら確認しておこう。
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工房に戻り今回の作戦メンバーが占有している個室に入って集めたドアを出してゆく。さてお知らせとやらを確認しておこう。
【お知らせ】
【5月1日AM8:00からPM8:00まで、バージョンアップの為、大型メンテナンスに入ります】
【主な変更点、街の大型アップグレード・一部のアイテムの効果解放・有料ガチャの実装・その他 】
【プレイヤーの皆様にご迷惑をおかけしますが、ご協力お願いします】
とのメールだった……俺たちの乱獲の注意メールではないのでシステム的には合法なのだろうか?
しかし5月1日かよ明後日って日曜日じゃないか、午前中だけでものんびりゲームしたかったが仕方がない諦めよう。
でもやっぱり出てきたのか”ガチャ”有料と言うくらいだから、いいアイテムが当たるのか? 金が無い俺には関係ない欲しい物が景品リストにあれば、トレード掲示板でYANで交換してもらうようにしよう。
バージョンアップに課金組との差に一抹の不安も覚えたが、のんびりやっていけばいいと自分に言い聞かせ基本素材の集まり具合の確認をする……さすがにやりすぎたのかもしれない、集めているので仕方がないが待機メンバーの倉庫いっぱいになっている。
おい、ライナスお前の倉庫なんかは黒曜石を加工したガラスのインゴットでいっぱいじゃないか?ドランさんが管理している鉄も倉庫にいっぱいになっている……少し自重した方がよかったのかもしれない。
掲示板には、”ダンジョンの変化を考査するスレ”まで立っているし、もうそろそろ潮時なのかもしれない。
皆に確認したところ考えは一緒みたいなので今出ている回収班が戻ったら打ち切りにしようと言う流れになった。
全員がそろったので分配したが、堅い木のドア2枚・魔木としなる木のドア2枚・木のドア2枚・黒曜石のドア2枚・鉄のドア2枚・ひも1巻後は細かく分かれた素材をそこそこ貰うことにした。基本素材は第2陣も来るだろうからあったに越したことはないからな。
例のごとく打ち上げと称して広場で飲み会をしていたが、急にゲイルが俺に話しかけてきた。
「おいセイ、お前ゴールデンウィークは空いてるか?」
『ん?どしたんだ急に?』
「俺たちはルヌの街から出ていないからマスカレイと共同戦線で、他の3つの街に行って普通の素材を集めようと話をしていたんだ。 行こうと思っていたが、誰かさんが基本素材の無茶な集め方を見つけて流れていたんだがな。 それでだ俺たちは殆どが職人なんで戦闘が不安だ、何人か知り合いの戦闘職にも声はかけているがお前も護衛の依頼受けてくれないか?」
『報酬は?』
「他の奴らには途中の宿代と、俺たちが作った武器防具で話をしているが、お前は自作するから……宿代と集めた生産用素材の分配でどうだ?お前にも採集は手伝ってもらうけどな」
なかなかウマミのある話である。他の街にも行ってみたいたいと思っていた所だし渡りに船ってやつだ。
『参加してもいいが、う~ん、4日と5日はリアルで朝3時位から9時位までと、昼前から4時位まではINできんぞ。それでもいいか?』
「正直戦闘職が集まっていないから、時間を調整するからどうにか頼む。しかし中途半端な時間だが何かあるのか?」
『フラワー(フェステバル)に行くんじゃ。朝早ぅから並んでカ○プのサイングッツが買える整理券貰いに行かんとをいけんのんじゃ』
「・・・・」
『徹夜組もおるがそこまでは出来ん。知らんかもしれんけど、サインユニフォームとかがサインなしのと同じ値段で買えるんじゃ行かんと損じゃろうが』
俺達夫婦の毎年の恒例行事である。それに来年には俺一押しの選手が、メジャーに行くかもしれないのでサイングッツがGETできるラストチャンスかもしれない、ゲームばっかりでリアルで何が大事かを忘れるのはいけない。
「まぁいい頼んだ。今のところ戦闘職で動いてくれそうなのが”三八小隊”のサブロウさんと他二名だけなんだ。嫁さんにもお願いできないか?」
話を聞いたところ三八小隊のほとんどのメンバーが、連休中は家族が引き取って家でゆっくりするらしい。サブロウさん達3名は自分で、老人施設からギアを購入して子供さんの家でログインするみたいだ。家族にも勧めているらしく……ハマリすぎだろう?
女房殿には起きて朝食の時にでも話してみるとしよう。
了解の意を伝え、後は思いっきり飲み会を楽しんだ。




