表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/117

44 皇帝シンノウからの招待状がカズヤに渡されました

ついに炎帝登場です。


 皇帝の近衛の竜騎士が、ミーニル領の竜騎兵と共に、天樹の空島を訪れた。

 俺たちと親交のあるミーニル領の竜騎兵と共に来ることで、トラブルを回避する狙いがあるのだろう。このような、丁寧なふるまいは嫌いじゃない。


 近衛竜騎士からカズヤに、炎帝と呼ばれる【陸の皇国】皇帝シンノウからの招待状が渡された。

 文書の形は招待状だが、断るという選択肢は無いので、事実上の命令書である。

 できるだけ早いうちに、城に訪れてほしいということだった。


「承知しました。皇都にお伺いします。」

「おお!そうですか。それはありがたい!」

 皇帝からの使節なのに、ずいぶん低姿勢だな。『お前らのような下賤のものを呼んでやるのだ!つべこべ言わずに来い!』という上から目線の対応がこういったイベントのテンプレではなかったか? まあ、こちらには皇族のベティや龍がいるから侮れないと考えたのかもな。もし、俺を怒らせたら、龍が皇都に襲いかかると考えたのかも…。


「ここから皇都まで、どのくらいの距離がありますか?」

「約500kmほどです。竜騎で5時間ほどかかりました。」

 500kmか、クエレブルに乗っていけばすぐの距離だな。

「じゃあ、明日にでも行けますが、どうですか?」

「カズヤ、ちょっとまって。」

と、天樹からストップがかかった。


 テンジュの話では、俺がこの天樹の空島からそんなに離れるのは嫌だから、俺が皇都に行くならこの天樹の空島ごと移動するそうだ。 

「テンジュの願いを優先したいので、俺は、この天樹の空島で皇都に向かいますが、それでもいいですか?」

「この天樹の空島ごとですか? そんなことが可能なのですか? …私の一存では決めかねます。城と連絡を取りますので、しばしお待ちいただいてもよろしいでしょうか。」

「もちろんです。」


 魔導士による魔法連絡が無事終わり、皇都から段取りが伝えられた。

 この天樹の空島が、皇都上空に突然現れたら大パニックになるので、事前に皇都の人々に空島の来訪を周知するために10日ほしいということ。皇都上空に来るのではなく、皇都の北グダニスク領と皇都の境の森林の上空までの移動にしてほしいこと、通り道のウッチ領の人々が驚かないように、できれば移動は夜にしてほしいことが伝えられた。


 その申し出は、至極もっともなものであるので、俺は快諾し、14日後の夜に移動し15日目の朝に北の森の上空に到着することにした。

 北の森に到着したら、連絡魔法が使えるエルミアが、皇都に連絡するという手はずになった。


 **********************************


 皇都に向かう日になった。

 500kmの大移動になるので、安全を確保するため俺の屋敷の従業員たち全員を世界樹の下に集めた。何が起こるかわからないからね。ここは、世界樹の結界の中でも一番強い、この空島で一番安全な場所だ。ここにいれば、何が起こっても大丈夫である。

 近くにはデスキンの姿も見える。最初はデスキンを一目見て腰を抜かしていたメイドのビビアンもすっかり慣れた様子だ。


「カズヤ、移動を始めるわよ!」

「わかった、テンジュ、よろしく頼む!」

 天樹の空島がゆっくりと上昇を始める。夜なので、あまり景色は見えないが、遠くにネルトリンゲの街の明かりが小さく見える。

 空島は強固な結界で包まれているので、上昇による気温の変化や風の抵抗はない。

 とても快適な空の旅だ。

 明るい満月が、巨大な世界樹〔天樹〕を照らしている。


 空島が飛ぶのは、雲海の上だ。

「幻想的な景色です~。」

 エルミアが笑顔で言う。うん、本当に美しい景色だ。

 俺たちは、〔天樹〕の下の草原に敷いた絨毯の上に座っている。

 クララちゃんははしゃいでいたが、今は横になってぐっすりだ。カール君も寝ていいんだよ。メイドの子達もうつらうつらしている。


 折角なので、この移動中、ちょっとした宴会を催した。

 月と雲海を見ながら飲むお酒は格別である。


 朝日が昇る前に、目的地の森林に到着した。

 天樹の空島は、高度を下げ、上空1000mほどの場所で静止した。

 安全が確認されたので、皆を、自分の部屋に戻した。

 俺たちも仮眠をとろう。昼過ぎには迎えがやってくるらしい。


 昼過ぎになり、皇都から迎えの竜騎士隊が現れた。皇都近衛竜騎士隊である。

 竜にはきれいな飾りがつけられている。騎士たちの姿も、洗練された皮鎧に包まれている。腰の剣一つとっても高そうだ。

「天樹の空島の皆様、お迎えに上がりました。我ら、皇都近衛竜騎士隊が、皆さまを皇都までご案内いたします。」


「丁寧なお迎え、ありがとうございます。」

 こういった外交担当はベティである。適材適所だ。

 今回も、俺たちはクエレブルの背に乗って城に向かった。テンジュも一緒である。

 近衛の竜騎士たちは、俺たちを囲むようにして飛んでいる。なんか、護送されているみたいだ。まあ、いろんな思惑があるのだろう。


 俺たちは、城の中庭に着陸した。

 ざわめく声は聞こえたが、ミールニ城で起こったような混乱はなかった。さすが皇都の近衛警備兵である。練度が高い。龍形態のクエレブルが人化したときには、さすがにどよめきが起こったが…。


文体が安定しません。申し訳ありません。

「  」ですが、わざと 。」にしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ