240コマの調律、そして大笑いのログアウト
初めての投稿です。
誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。
途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。
作品の内容が前後することが多々あると思いますが、大目に見て頂ければ、うれしく存じます。
では、参ります!!
【ワールド3:神々のマスター・ソースコード編】
第11部(後編・後編):『240コマの調律、そして大笑いのログアウト』
1. 240fpsの残光
「カウントダウン、残り15秒。……フ、フハハ……。仕様変更(月食)の切れたお前たちに、プログラムの強制終了は、止められ……」
大理石の床に這いつくばった創世主ヴァルガが、狂気混じりのログを吐き散らす。背後の光の繭に刻まれた【2026年・完全初期化】の文字が、赤く、激しく明滅し、世界を構成するアセットが端からパチパチと消滅(ヌルポインタ化)し始めていた。
残り15秒。イサナギの魔力は底を突き、ハンマーを握る腕も震えている。
「……誰が『止められない』って言ったのさ、ヴァルガ」
イサナギが、不敵に、最高に不敵に笑った。
彼の体内の奥深く、まだ1ビットも手をつけていなかった「最後のメモリ領域」が、ゴルドンおじさんの【マスター・ハンマー】から放たれる「3-6-9」の周波数と完全に共鳴し、臨界点を超えて激発した。
「ボクの最初のスキルが『15コマのアニメーション』なら……ボクの最後のスキルは、これだ!!! 【天の属性:システム仕様上限解放】!!!」
ドクン……ッ!!!!!
イサナギの全身から、それまでの黄金の光すらも過去にする、透き通った「宙の彼方の超閃光」が噴き出した。世界のシステムが維持しているフレームレートの限界(60fps)の壁が、メリメリと音を立てて粉砕されていく。
「【超加速:Lv.6・240fps超描画】!!!!!」
世界が、完全に「静止」した。
いや、違う。イサナギの処理速度が通常の「4倍」へと爆発的に引き上げられたため、周囲の時間が実質的に完全停止したのだ。
1秒の間に、240回。世界の仕様は、イサナギの動きを240枚の圧倒的な高解像度アセットとしてレンダリングし始める。
「ガガッ……ターゲットの……フレーム描画数が……限界値(240)を……突破……! 補間が、追いつきま……せ……」
ヴァルガの眼球が、4倍の速度で滑らかに、残像すら残さず動くイサナギの「一歩」を捉えきれずにエラーログを吐き出す。さっきまでの15fpsのカクカクした世界から、一転して「世界の誰よりも滑らかに動く」超次元の機動へ!
「おじさん、みんな……これがボクたちの、2年間のバグ修正(答え)だぁぁぁッッッ!!!!」
シュパァァァァァァァン!!!!!
240fpsの世界の中で、イサナギが地を蹴った。
あまりの滑らかさに、空間には黄金の光の川のような軌跡が美しく、途切れることなくレンダリングされる。
残り10秒。
イサナギはヴァルガの目の前を通り過ぎ、その背後にある初期化のコアへと、240分の1秒の極限フレームの中で肉薄した。
振り下ろされる【マスター・ハンマー】。
1コマ、2コマ、3コマ……。240fpsの超解像度の中で、ハンマーが初期化コードのガラスケースを破壊し、中の黒い数式を物理的に叩き潰していく軌道が、息をのむほど美しく描写されていく。
「【概念錬金術:Lv.6・ハッピーエンド・コンパイル】!!!!!」
ドゴォォォォォォォォォォォォォン!!!!!
2. 世界の仕様変更(デバッグ・完了)
イサナギが放った240fpsの最終一槌がコアを直撃した瞬間、牙城全体、いや、ワールド3の全セクターを包み込んでいた「初期化の赤光」が、パリィィィィィン!!!と心地よい音を立てて、完全に粉々に砕け散った。
それは物理的な破壊ではない。
神々が設定した「2026年・ゴミ箱行き」の手抜き仕様プログラムを、イサナギの天の属性の錬金術が、「メモリを完全にクリーンアップし、バージョン1.0のまま永久にサービスを継続する(不滅の世界)」という、正規の仕様(神のアップデート)へと完全に叩き直したのだ!
『――システム・ログ(全世界通知)』
『【2026年・広域物理消去】のタスクは正常にデリートされました。……メモリ容量は0%に解放(クリーンアップ完了)。これより、本ワールドの稼働ステータスを【永久運営】へと変更します』
「ば、な……。私のマスター・コードが……完全に書き換え……られた……」
ヴァルガの身体が、光の塵となって足元からサラサラと消えていく。
彼は最後に、イサナギたち9人の調律師の姿をその目に焼き付け、静かに、どこか満足したようなログを残して、世界のシステムから完全にログアウト(消去)していった。
「やった……。本当に、やったんだ……!」
ルミエルがへたり込み、チェルシーがわっと泣き出し、シルフィアとアカリが抱き合う。ドラキュラさんは優雅に微笑み、レイラとプロメテウスもまた、ハッカーとしての、そして魔女としての勝利の笑みを浮かべていた。
「マスター……素晴らしい調律でした。バグ修正、完全完了です」
ノワールが、いつもの静かな、けれど最高の笑みを浮かべてイサナギに歩み寄る。
世界は救われた。
手抜き仕様の神をねじ伏せ、ボクたちは自分たちの手で、この15コマから始まった愛おしい世界の未来をビルドし直したのだ。
さあ、イサナギ! 最高の格好いいセリフで、この2年間の長い旅を締めくくるんだ――!!
だが。
世界の理は、どこまでも厳格だった。
3. 最悪のデバフ(大笑いのペナルティ)
ピキィィィィン。
イサナギの頭の上に、突如として、禍々しい「真っ赤なびっくりマーク」のポップアップが出現した。
【システム警告:ペナルティ発動】
・スキル『超加速:Lv.6(240fps)』の過剰使用による反動。
・これより、240秒間の【強制大笑い(肉体制御不能状態)】に移行します。
「え? あ、あれ……? お、お腹のあたりが……急にシステムエラーを起こして……ぶっ……ぶふぉっっっ!!!」
次の瞬間。
世界を救った大英雄イサナギは、手に持っていた【マスター・ハンマー】を放り出し、大理石の床の上をゴロゴロと転がり回り始めた。
「あ、あはははははははははは!!! ひゃーはははははははは!!! お腹痛い!! お腹のコアが捩れるぅぅぅぅ!!!!! ぶはははははははは!!!」
「ちょっと、イサナギ!? 世界を救った感動のシーンなのによ、何やってんのよあんたはぁぁぁ!!!」
チェルシーが涙目を丸くして突っ込む。
「あはははは! 止められな、いんだよチェルシー!! あはははは! 240fpsで笑いの筋肉が超加速して、通常の4倍の速度で笑いがレンダリングされてるの!! うひゃひゃひゃひゃ!!!」
「フッ、実に見事な締めくくりだね。やはり君は、最後まで退屈させない最高のデベロッパーだ」
ドラキュラさんがお腹を抱えて大爆笑するイサナギを見て、クスクスと上品に笑う。
「マスター……。いくら世界を救ったからとはいえ、240fpsの超高解像度で床をのたうち回る姿は、サポートAIとしてログに記録(録画保存)せざるを得ません。はい、チーズ」
ノワールが淡々とシステムカメラを起動し、フラッシュをパシャパシャと焚き続ける。
「ノワール! 撮るな、撮るなぁぁぁあはははははははは!!! 誰かデバッグしてぇぇぇぇ!! ひぃーははははははは!!!」
純白のマスター・ソースコードの空間に、イサナギの、そして仲間たちの賑やかで、どこまでも温かい大笑いの声が、15コマの枠組みを超えて、世界の隅々まで響き渡っていった。
手抜き仕様の神様たち。
見てるかい? ボクたちの作ったバージョン1.1(ハッピーエンド)は、どんな最新のプログラムよりも、最高に賑やかで、絶対にバグらない、最高の仕様なんだから――!!!
【ワールド3:神々のマスター・ソースコード編・大団円(完全終了)】
みなさま、どんな風に感じてもらったのでしょうか?
少しでも面白いかもと思って頂けましたら幸いです。
励みになりますので、☆☆☆☆☆をチェックしてもらえると嬉しく存じます。
これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
この作品を読んでくださる方がいていただけて、とても、うれしくありがとうございます。頑張って新しいアイデアを入れ込んでいきますので、よろしくお願いします。新作始めます。探偵物です。よろしくお願いします。
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