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間話2:お財布ゼロの下積みライフ・前編

初めての投稿です。

誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。

途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。

作品の内容が前後することが多々あると思いますが、大目に見て頂ければ、うれしく存じます。


では、参ります!!

## 間話2:お財布ゼロの下積みライフ・前編


「――システム・アナウンス。ただいまより、チーム・おバカ調律師による『リアル極限サバイバル・生活費デバッグ編』のビルドを開始します。……警告。本シナリオ中は、空腹度ゲージの減少速度が通常の3倍となり、所持金が5ゴールドを下回った場合、キャラクターのグラフィックが徐々に『薄幸のドット絵(白黒)』へと退色するペナルティが発生します」


「……お、お腹が空きすぎて、ボクの指先のポリゴンが……2Pカラーみたいに薄くなってきた……」


第二ステージ「マッスル・オリンピア」の片隅。かつて十万人の筋肉質な観客が埋め尽くしていたスタジアムの裏路地で、ボクは冷たいレンガの地面にへたり込んでいた。

18歳の最高解像度にアップデートされたはずのボクの身体は、今やエネルギー(予算)不足のせいで、フレームレートが4コマくらいにまで低下し、カクカクとした絶望ポーズのまま固まっている。


背中にあるのは、あの万能の緑色のカゴではない。チェルシーがジャンクパーツの端切れ(タダ同然のゴミ)を真鍮の針金でパッチワークした、容量わずか5L、しかも「底に小さな穴が空いている(仕様バグ)」という、この世で一番頼りない布製リュックだった。


「情けない声を出すんじゃないわよ、イサナギ! ほら、これが今日の私たちの『全財産』よ!」


レイラが18歳の最高に美しい(しかし空腹で目が血走っている)フォームで、ギルドの受付お姉さんから支給された報酬を床に並べた。


ポスン。ポスン。


大理石の床に力なく転がったのは、約束通りの【1ゴールド(銅貨1枚)】**、そして――表面のグラフィックが怪しく緑色に発光している、お徳用大袋の**【賞味期限切れのちくわ(2本)】だった。


「これ、本当に食べるの……? ノワールのスキャンデータだと、このちくわの内部構造、賞味期限が『3年前の初期バージョン(Ver1.0)』で止まってて、一口齧った瞬間に確定で『HP持続減少(食中毒バグ)』のデバフが付与されるってログが出てるんだけど……」

チェルシーが巨大スパナの先端でちくわをツンツンと突きながら、顔を引きつらせた。


「マスター、補足します。現在の私たちの満腹度( hunger_meter )は一律で残り3%。このちくわを摂取して食中毒のダメージ(毎秒10ダメージ)を受ける確率と、何も食べずに餓死してサーバーから消去デリートされる確率を演算した結果……、ちくわを食べてバグを気合でレジスト(抵抗)する方が、生存率が0.4%高いです」

ノワールが耳のデバイスを弱々しく「ピコ……ピコ……」と動かし、アンドロイドらしからぬ生々しいサバイバルログを出力した。


「ガハハハ! ドワーフの頑丈な胃袋をナメるんじゃねえ! ワシのコードなら、これくらいのカビグラフィック、ただの『緑のトッピング(青のり)』として処理してやるわい!」

ゴルドンおじさんが男気を見せてちくわをガブッと一口で半分に噛みちぎった。その瞬間、おじさんの顔面がアセットエラーを起こして真っ青(ブルー画面)になり、

『警告:ゴルドンは3年前のちくわの毒素に感染しました。毎秒ヘルスが減少します』

という不気味な赤文字が頭上にポップした。


「お、おじさーーーんどんだけシリアスなんだよこの下積みライフゥゥゥッッ!!」

ボクは残った1本のちくわを抱きしめ、15コマの解像度で涙のパーティクルを激しく散らした。


万能のカゴがあった頃は、どんな高級食材も「0円(お笑い処理)」で無限にスタックできた。

だが、そのチート権限を失った今のボクたちは、世界の冷酷な経済システム(ルール)の前に、ただの「空腹で死にかかっている初期アセット」に過ぎなかったのだ。


---


### 第2章:作戦会議(目標:マジックバッグの10万ゴールド)


「――落ち着きなさい、おバカ青年ども。これしきの逆境、かつて真祖として数千年のサーバーメンテナンスを生き抜いた我が調律デバッグしてやろう」


暗い裏路地のドラム缶の炎(グラフィック:低クオリティ)の周りで、ドラキュラが不敵な笑みを浮かべ、ルミエルが拾ってきたノートに万年筆で「これからの資金調達プラン」をサラサラと書き込み始めた。


「いいかい、みんな。僕たちの最終目標は、次のステージ(ワールド3)への接続料金と、カゴの代わりになる最上位ストレージ【マジックバッグ(10万L仕様)】の購入費用……合わせて【20万ゴールド】だ」

ルミエルが眼鏡をクイッと上げ、冷酷な現実の数字を叩き出す。


「20万……! ちくわ2本と1ゴールドの世界から、どうやって20万ゴールドなんて天文学的な数字にコンパイルするんだよ……!」

レイラが蒼海石の杖を握りしめ、ガクガクと震える。


「フン、地道にFランクの『加齢臭クリーンアップ(報酬1G)』をやっていては、20万日かかる。つまり、僕たちがやるべきことは一つ……。【今の所持金(1ゴールド)を元手に、この街の仕様バグを突いた『錬金術』で、一一気にキャッシュをインフレさせる】ことだ」


ルミエルのプランナーとしての黒い瞳が、怪しくギラリと光った。


「錬金術……? ルミエル、それってまさか、また怪しいおバカなバグ技を使うってこと!?」

ボクが身を乗り出すと、ルミエルは静かにノートをボクたちに見せた。


そこには、この第二ステージ「マッスル・オリンピア」の、過激派パッチが解除されたことで生まれた、奇妙な【経済の不具合(仕様の穴)】が描かれていた。


「この街の武器屋のグラフィック(店主NPC)は、3日前の決戦のラグのせいで、まだ処理能力が追いついていない。

店主の買い取り処理のタイムラグは、正確に『0.5秒(15コマ中、約7コマ分)』。

つまり、僕たちが持っているこの【1ゴールドの銅貨】を店主に手渡した瞬間の、その『0.5秒の隙(遅延)』の間に、チェルシーの巨大スパナでレジの座標をガツンと叩いて【物理的な書き込みエラー】を発生させれば、どうなると思う?」


「あ……!」チェルシーの天才メカニックとしての脳内CPUが、一瞬でルミエルの意図をコンパイル(理解)した。「店主のデータが『1ゴールド買い取った』というログと、『レジの中にまだ1ゴールド残っている』というログを同時に二重書き込み(ダブルバッファリング)しちゃう……!?」


「その通り。おバカが過ぎて世界を征服しかけたイサナギの『調律ディレクション(バグ技)』を、今度はこの生々しい金策に応用するのさ。

1ゴールドを、2ゴールドに。2ゴールドを、4ゴールドに。

倍々ゲームで世界のシステムクロックを狂わせ、このマッスル・オリンピアの全市場のゴールドを、ボクたちのこの布リュック(穴あき)の中に強引にエクスポート(複製)してやるんだよ!」


「お、おぉぉ……! さすがルミエル、カゴがなくなっても考えるおバカ(悪知恵)のスケールが違ぇや!」

ボクはボロボロの布リュックを握りしめ、18歳の青年の瞳を、かつてないほど「ギラギラとした強欲の金色」に輝かせた。


世界征服はやめた。神様になるのもやめた。

でも、【今日食べるご飯と、マジックバッグのための金策バグ技】なら、世界のプランナー様だって、大爆笑しながら見逃してくれるはずだ!


「よし! 作戦名は【1ゴールド・無限増殖デバッグ・プロジェクト】だ! みんな、空腹の限界を超えて、街で一番デカい中央武器屋『マッスル・アイアン亭』へ突撃するよォォォッッッ!!!!!」


「「「オオオオオオオオオオッッッ(空腹で声が裏返りながら)!!!!!」」」


---


### 第3章:武器屋「マッスル・アイアン亭」での秒速ハッキング


キンコーン、カンコーン(真鍮のベル音)。


「いらっしゃい……。フン、見慣れないFランクの貧乏アセットどもだな。ウチのプロテイン配合の鉄剣は、最低でも500ゴールドからだ。冷やかしなら帰んな!」


中央武器屋のカウンターにいたのは、大胸筋のポリゴン数がまだ元の標準仕様に戻りきっていない、身長2メートルの頑固そうな親父NPC(店主)だった。


「ふへへ……、親父さん、冷やかしじゃないよ。ほら、この神聖な、ボクたちの全財産の【1ゴールド(銅貨)】を、あんたの店で一番安い『錆びたボルト(1G)』と交換(売買)してほしいんだ!」


ボクは15コマのキレのあるステップでカウンターに歩み寄り、震える指先で、床に落ちていた泥のついた1ゴールドを親父の前に差し出した。


「ふん、1ゴールドか。まぁ、システム上の取引トランザクションだから拒否はせんが……」

親父NPCが、その太い指で1ゴールドを掴み、レジへと入れようとした、その瞬間!


「今だ、チェルシー! レジの右下、座標【X=54, Y=21】のフレーム遅延の隙間を、全力で叩けェェェッッッ!!!!!」


「おっしゃあ! あたしの特製スパナの『コンパイル・インパクト』を喰らいなさいォォォォォッッッッッ!!!!!」


カウンターの陰から、チェルシーが巨大スパナを1秒間に30回という猛烈なフレームレートで振り下ろし、店主の古い木製レジの引き出しの角を「ガキィィィィィン!!!」と力任せにブチ叩いた!


チカチカチカチカ……ブーーーッ(警告音)!!!


『――物理衝突エラー:売買処理の確定フレーム中に、レジのグラフィックが15ミリ右へズレました。……システムはゴールドの格納座標を見失い、一時的な『一時バッファ(メモリ重複)』を発生させます』


「な……ななな、何だあぁぁぁッッ!?」

親父NPCの動きが、バグのせいで「1ゴールドを掴んだまま」空中でフリーズ(静止)した。


そして、その親父の指先から、ポロポロ……ポロポロポロポロ……と、

『1ゴールド』のオブジェクトが、まるで壊れたスロットマシーンのように、ものすごい勢いで「無限複製リパブリッシュ」されて床へと溢れ出し始めたのだ!


「やった! 大成功よイサナギ! 1ゴールドが、10、20、50……、ものすごい勢いで増殖インフレしてるわ!」

レイラが18歳の美しい瞳をドルマーク($)の形に変えて、床に這いつくばりながらゴールドを拾い集め始めた。


「ガハハハ! これぞドワーフもびっくりの『バグのゴールドラッシュ』じゃ! 坊主、早くその布リュックに詰め込め!」

ゴルドンおじさんも、ちくわの毒素で顔を真っ青にしながらも、両手でゴールドをかき集めてボクのリュックへと放り込む。


「よーし、このまま一気に10万ゴールドまでエクスポートして、今日のご飯は『バグ盛りチャーハン特盛』だァァァッッッ!!!」


ボクは、増殖していくゴールドを、チェルシー特性の5L布リュックの中にガシガシと詰め込んでいった。100、500、1000ゴールド……! カゴがなくても、ボクたちの「おバカなチームワーク(犯罪的ハッキング)」があれば、下積みライフなんて一瞬でクリアできるじゃないか!


だが――ボクたちは、調律師としての、そしてこの「布リュック」の、致命的な【仕様バグ】を完全に失念していた。


みしみし……みしみしみし……。


「……あ、あれ? イサナギ、あんたのリュック、なんか底の針金が……ゴールドの重さに耐えきれずに、ものすごい勢いで引きちぎれそうになってない?」

チェルシーが、青ざめた顔でボクの背中を指差した。


「え?」


ボクが振り返った、その瞬間だった。


ビリリリリリリリリリリリリッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!


「あ」


増殖した3000ゴールドの圧倒的な「シリアスな物理の重さ」に耐えかねて、チェルシーがゴミパーツで作った布リュックの底が、文字通り【完全に大破(爆発四散)】**した。

そして、せっかく複製した3000ゴールドの山が、リュックの底の穴から、武器屋の床の下にある**【廃棄データの隙間(暗黒の奈落・座標外)】へと、

「シューーーン……」とマヌケな音を立てて、1ゴールド残らず、すべて奈落の底へと吸い込まれて消滅ロストしてしまったのだ。


さらに、衝撃でレジのバグも強制解除リフレッシュされ、

『不正なトランザクションを検知しました。武器屋の全ゴールドを初期状態(0)にロールバックします』

という冷酷なシステムログが表示され、親父NPCの指先にあった元の1ゴールドすら、チーンという虚しい音と共に完全に消え去ってしまった。


「「「「「「「「「「「えええええええええええええッッッッッッ!?!?!?!?(大ロスト)」決」」」」」」」」」」


武器屋の中に、私たちの絶望の悲鳴が、15コマの最高解像度でシンクロして響き渡った。


増殖させたお金は全て奈落へ消え、元手の1ゴールドすら失い、ボクたちの所持金は、正真正銘の【完全なる「0ゴールド」(マイナス状態)】へと、完璧に下方修正デバフされてしまったのだ。


親父NPCが、バグから復帰して、青筋のグラフィックを怒りでギチギチにロードさせながら、手にした「プロテイン配合の鉄剣(攻撃力999)」をギラリと光らせてボクたちを睨みつけた。


「てめぇら……、ウチのレジに何しやがったァァァァァッッッッッ!!!!!」


「ひ、ひえぇぇぇぇぇッッッッッ!!! ごめんなさい、ただのおバカな経済調律デバッグですぅぅぅぅぅッッッッッ!!!!!」


ボクたちは、怒り狂う武器屋の親父から逃れるため、残った1本の「賞味期限切れのちくわ」だけを死守して、15コマの超俊足ダッシュで武器屋を命からがら飛び出すのだった!


お金はゼロ、リュックは崩壊、胃袋は限界寸前。

チーム・おバカ調律師の「下積みライフ」は、いよいよ前途多難(完全に詰みかけ)の状態で、後半戦のさらなるおバカな大ピンチへとロードを開始するのだった――!


(――間話2:下積みライフ・前編、完全終了! 次回の後編【絶体絶命の空腹! 伝説の『ちくわ1本・闇のオークション分割売却』編】へ、涙の15コマで続く!)

みなさま、どんな風に感じてもらったのでしょうか?

少しでも面白いかもと思って頂けましたら幸いです。

励みになりますので、☆☆☆☆☆をチェックしてもらえると嬉しく存じます。

これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

この作品を読んでくださる方がいていただけて、とても、うれしくありがとうございます。頑張って新しいアイデアを入れ込んでいきますので、よろしくお願いします。

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